2009-01-01から1年間の記事一覧

≪新しい人≫が現れるように願いたいが・・

ボクは年賀状を書き終えるのがたいがい大晦日になってしまう。特にこれといった理由はない。新年の到来がイメージできないのと怠惰のせいである。家族に叱られている。 ヘッドラインは毎年英文である。昨年は“May Love, Peace and Prosperity Remain with Yo…

ふと気がつくと“集合的無意識”のなかに取り込まれていないか・・

少しは“知るを楽しむ”1年だったかと思う。 過日、NHK-E『知楽』で≪孤高の国民作家 松本清張≫を辻井嵩氏が語っていた。70年代〜80年代にかけ、清張モノを耽読したボクにしては見逃せない番組なので録画し何度も視聴している。 清張作品に共鳴している辻井喬…

≪龍馬がゆく≫と景気が上向く・・?

今日から正月3日まで各紙夕刊がお休みである。 最寄の駅前にでかけたついでにM紙を買った。仕事に出る日は朝夕ともM紙を駅の売店で買うのが慣わしだ。 同紙経済欄に≪「大河」視聴率アップ→「株価も上昇」 来年の『龍馬伝」に期待も≫とある。大和証券SMBC研究…

歌舞伎--吉例顔見世と初春と“さよなら”と・・

四條川原町。大橋を渡り真っ直ぐ行くと八坂神社。その手前右に南座がでんと構えている。若い頃、新春の鴨川べりを家族と歩いて八坂神社に詣でた。 職人さんが、南座の正面のまねき看板を取り外す光景がいまも懐かしく思い出される。 南座の吉例顔見世興行も…

≪“軽輩・盲目“とて侮りめさるな・・≫

3年前豊島園のシネコンで観た山田洋次監督「武士の一分」がTV日曜洋画劇場年末特別企画として放映された。邦画なのに洋画劇場とはなんぞや? それはそれとして、この作品は藤沢周平『盲目剣谺返し』を元にした時代劇。ずばり言えば周平さんが得意とする下級…

子規の≪病牀譫語≫に学ぶ

正岡子規「飯待つ間」(岩波文庫)を拾い読みする。大変な食いしん坊だったという子規。その見事な食べっぷりが、同人の人生や文章に対する徹底振りに通じていることがわかりまことに興味深い随筆選である。 そのなかの≪病牀譫語≫に教育問題に触れた一文が見ら…

子規の真似して“筆まかせ”

Christmas Eveの24日、米上院が医療保険制度改革の関連法案を可決した。President Obamaが内政の最重要課題として掲げてきた法案だ。 早速Barack Obama氏からemailが届いた。 タイトルはA Historic Moment. “Thank The Senators Who Have Worked Hard to Pas…

英人被害者の心の葛藤

英国立University of Leeds(リーズ大学)を卒業し来日、英語教師になることを夢見ていたL.Hさんの姿が最後に目撃されたのは2007年3月27日。隣に日本人の男がいた。 指名手配されていた男は30歳。2年半の逃亡生活後、先月逮捕された。 英紙The Independentは昨…

聴き手を“惹きつけ、巻き込む”第一人称複数型のWe(we)

今朝、100人程度の40代のparentsを対象に20分余り、教育関連の話しをした。 内容はともかく、一人称に≪We≫よりむしろ≪I≫を多く使ったことが気になる。果たして聴き手のparentsは『話し手は、聴き手である自分たちのことについ話してくれている』と感じただろ…

冬至雑感

今日12月22日は冬至。英語でthe winter solstice。solsticeとは「至点・極点」のこと。つまり北半球では日照時間の最短日、冬気極まり、「日短きこと至(きわま)れり」となる。 柚子湯に入って体を温め、無病息災を祈るこの日、冬至を湯治にかけている。柚子…

死滅に向かう島があるのに・・

COP15のCopenhagen Accord(コペンハーゲン合意)は法的拘束の伴わない“Take Note”(留意する)で終わった。 温室効果ガスの排出削減に関する枠組みが盛り込まれていない。欧米各紙の評価は手厳しい。 米紙CS Monitorは“'Essential beginning' to some, shaky fo…

政治合意のCopenhagen Climate Talks(COP15)は法的拘束力なく“Take Note”(留意)のみ

世界が注目のCOP15も“決裂”は回避されたが結果的に免れたが、Copenhagen Accord(Climate Deal)は期待はずれに終わった。 「ポスト京都議定書」に関する政治合意案は大筋では合意されたものの、採択にこぎつけられず、法的拘束力のない“留意する”にとどまった…

「COP15政治合意」にこぎつけるカギはやはりObama's Climate Speechか・・

難航のうちに会議決裂、時間切れの寸前に“政治合意”なる文書作成が進んでいる。玉虫色や先送り事項が含まる懸念ありだが、やはり最後は寒風のなかCopenhagenの首脳級会談に駆けつたPresident ObamaのAddressが決め手になるようだ。 The NY Times. Comを通じ…

発句--“はじめに子規あり”か・・

昭和の俳壇に大きな影響を与えた石田波郷、「自分の一生は病んでばかりいる一生だった」と述懐。 今生は病む生なりき鳥頭(とりかぶと) 時世の句か、清瀬の結核病院で生涯を終えている。 70年代わが街に住んでいた時代小説の名手、藤沢周平さんは50年代結核を…

“(嘘の)自白”に導く≪魔の時間≫とは

足利事件に続き、最高裁で再審が確定した事件が明るみに出た。検察側の特別抗告を棄却した「布川事件」。 栃木県に続いて、今度は茨城県利根町で起きた42年前の事件だ。なぜか北関東の地検・地裁がスタート地点になっている。 78年に無期懲役が確定し96年仮…

いま一度心に刻むべき20世紀の巨人の遺志

20世紀を代表する経済学者の一人、Paul A. Samuelson博士が他界した。享年94歳。1970年に第二回ノーベル経済学賞を受賞。が、この賞は「Samuelsonにノーベル賞を受賞させるために創設された」と言われ、いまなおいわくつきでノーベル賞委員会では同賞の廃止…

熱帯密林湿地帯の気候変動(地球温暖化)への知れざる影響--環境対策コストは経済的に有効

COP15の成り行きに世界の目が注がれている。 copといえば、policemanのスラングというよりcolloquial American Englishだが、本件とは無縁だ。 COPは、締約国会議(Conference of Parties)の略、即ちCOP15とは国連気候変動枠組み第15回締約国会議。目下、コペ…

今年の漢字一文字、“駄”は忌み字で≪駄目≫か?

今年を表わす漢字一文字は「新」が選ばれたとか・・。 今年も昨年と同じく“変”でもいいと思うが、一昨年の“偽”ほどではないが忌み字を避ける傾向にある気がする。 ボクにとっては今年の日常生活は“凡”とか“駄”などが適当なところだが、世間さま、世の中、世…

Obama's Nobel Remarksの核心は最後の締め括り部分にあり

President Obamaのノーベル平和賞受賞演説は35分に及んだ。同氏のスピーチにはたいがい大きな拍手と笑いがつきものだが、今度ばかりは“戦時の大統領”と自他共に認めるいわく付きの受賞だけに自身珍しく緊張し、スピーチの基調は“Hard Truth”。演説中ほとんど…

“Just War”(正しい戦争)とは?--苦渋のNobel Prize受賞のObama氏

いまOsloでNobel Peace Prize受賞記念演説を行っているBarack Obama氏。戦時の大統領の平和賞受賞を巡り疑問噴出だ。 Obama氏は人道主義の基盤と平和の維持のため、軍事の行使を毅然として弁護し、“just war”(聖戦)の必要性を呼びかける。 側近はは語る。大…

“濁った暗い半生(青春)”が培ったもの

松本清張生誕100年を記念してかつてドラマ化された社会派推理モノの名作をBS2が再映、清張の世界を回想している。 「自分のことは滅多に小説に書いていない」という清張だが、55才を越えたころから「自分がこれまで歩んできたあとをふり返ってみたい気もない…

“Forget Pearl Harbor”か?

12月8日は第二次大戦の米国のveteransたちにとっては“Remember Pearl Harbor”だ。が、日本では68年前の太平洋戦争開戦について触れているメディアはほとんど見られない。1941年の今日「大本営発表。帝国陸海軍は本朝八日未明、西太平洋上において米英と戦闘…

敬愛しあう朋と友

「芥川竜之介書簡集」(岩波文庫)と併せて1953年再版の古書:恒藤恭「舊友芥川龍之介」(河出書房)を再読している。 昨年春、山梨県立文学館で「芥川龍之介の手紙---敬愛する友恒藤恭へ」が企画・開催された。 恒藤恭、旧姓、井川恭は芥川にとって一高生活以来…

季題・季語のない発句もいいが・・

いまなお賛否両論ある司馬史観だが、NHKで始まった「坂の上の雲」はかなりの視聴率を上げると思われる。 主人公の一人正岡子規をいかに描くかだ。子規といえば俳句だが、病床での最期の3句がなとんも言えない。 糸瓜(へちま)咲いて痰のつまりし仏かな 痰一斗…

Barack Obamaの国内支持率低下はいつまで続く?

President Obamaに対する不支持率が支持率をうわまわった。アフガンへの増派の発表と好転の兆しが見えない雇用情勢が背景にある。 特に懸念されるのはアフガン戦略に対するお膝元DP議員のなかに渦巻く不満と懐疑心である。 膨大な戦費の膨らみと正体不明のア…

Michael Moore(マイケル・ムーア)のお灸

ドキュメンタリー映画「華氏911」(Fahrenheit 9/11」でBush Administrationを痛烈に批判したMichael Moore(マイケル・ムーア)監督が“Capitalism: A Love Story”(邦題「キャピタリズム〜マネーは踊る〜」)の日本での公開に合わせて来日した。最後のドキュメン…

お辞儀も会釈も握手もしない無機質の若者たち

先月半ば来日したPresident Obamaの共同記者会見やSpeech in Tokyoでの礼儀作法には敬服した。 一人ひとりに握手しながら頭を下げる。軽くお辞儀しながら握手する。天皇に深々とお辞儀をする。まさに日米の文化を融合した自然な作法だ。 米保守系メディアは…

対アフガン戦略--President Obamaの苦渋の選択

Barack Obamaがアフガン新戦略、駐留米軍3万人の増派に踏み切った。 NYのウェストポイント陸軍士官学校での演説の冒頭で彼は強調した--- “To address these important issues, it's important to recall why America and our allies were compelled to fight…

「(心を育てる)母子手帳」とトップリーダーの徳とは

小中高生の校内暴力が3年間で7割増、怒りを制御できない子供たちが激増している。イジメ件数は減っているというものの、“イジメ自体が減っているのではなく、時間がたって学校のイジメ発見の取り組みに積極性が薄れ、報告が減った可能性がある”と文科省は見…

比類なきレターライター--芥川のモラリティ

芥川竜之介の「書簡集」をじっくり何度も読んでいる。 喋るように、歌うように、流れるような手紙だ。大半は自分を語り、相手との対話を重ねている。なかでも、家族への手紙は、芥川のモラリティとヒューモアが感じられ、類稀なるレターライターと云うべきだ…