2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

A Lost Decade(失われた10年)の相互感染

普天間基地の移設問題で共同文書にこぎつけた米日とも深刻な国内情勢にある。 President Obamaが怒りをあらわにして「米史上最悪の原油漏れ被害だ」と声明したThe Gulf of Mexicoのoil leak。英BP社が流出阻止に向けた新たな作戦“top kill”も失敗した。 26日…

内外の“うつけもの”--top kill(トップを斬る)も効用なし・・?

ルイジアナ州メキシコ湾で止め処なく流出する原油ほど、米国にとって厄介な“うつけもの”はいないだろう。26日の現地CNNは“As early as Wednesday morning, BP will try to stop gushing oil leak in the Gulf of Mexico with a maneuver called 'top kill'”(…

死語化する?道義(正義)・道徳

“変化への対応”と“自己変革”。似て非なる表現だ。 変化する時代が人をつくり出すのだろうか。それとも、人が時代の変化を生み出すのだろうか。しばしば自問するものの正解が出ない。否、双方とも正解というべきか。 「私は獄中にいて当然殺されるほかないと…

内憂外患か非常事態か

foot-and-mouth disease(口蹄疫)の感染拡大に慄く現地。せめてエース級牛(prized stud bulls)49頭については経過観察を懇願しているが、農水省は特別扱いに難色を示し、早期処分を求めている。 普天間基地の移設問題も現地と政府間での温度差は埋まらない。“…

切ない“惨と凛と怒“--Japan PMの呆れた言葉の軽薄さと落差

「35年、牛とともに過ごした人生はおしまいです」と宮崎の酪農家の初老の男性。流れる涙が頬をつたう。口蹄疫によるワクチン接種と全頭処分は余りにも惨い。 感染した豚の殺処分の場面に眼を覆う。 「処分にあたる獣医師さんの補助員の男性が白い防護服に身…

Never say “never”

Premier Hatoyamaが沖縄県の知事さんに迷走する≪米軍普天間基地≫の移設問題に関し陳謝した。“少なくとも県外”が無理だと判断したからだ。“少なくとも県外”とは“We do promise the U.S. Military Base will never be left in Okinawa”と云う意味のはずだ。 つ…

“Embracing Defeat”(敗北を抱きしめ)、Starting Over(最初からやり直し)たJapans(日本人たち)

この6月をもって、John W Dower(ジョン・ダワー)氏がMIT教授を退くことになっという。歴史家であり、米国きっての日本史研究者だ。 1999年に著したEmbracing Defeat「敗北を抱きしめて」でピューリッツァー賞を受賞した。翻訳本では上下巻の大書だ。 冷戦時代…

狭量なイスラエル、何等国?

Norm Chomsky(ノーム・チョムスキー)がパレスチナ自治区への訪問をイスラエルの入管に拒否された。 ChomskyはPhiladelphia在住のユダヤ系米国人である。ユダヤ系なのに何故イスラエルが占領下にあるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区への入境を拒むのか。 同…

W杯南ア大会には和食と粗食がいい・・?

サッカーW杯南ア大会に出場するUK代表選手が用意する食事にビックリ。 英国民の期待を一身に集め、南アに遠征する選手たちの食事がなんとも質素だ。専門の栄養士を現地に随伴させるのが今じゃ常識になっているが、トップ・プレーヤーの朝食はコーンフレーク…

追悼試験

最近、惜しまれて早世、他界する作家や文化人が多い。弔辞は長くじゃないが、心に響く親友、知人の追悼文にお目にかかる反面、儀礼的な常套文も少なくない。 「或旧友へ送る手記」を遺し、“用意周到に”に35歳で自死した芥川龍之介は夫人と子どもあてに、そし…

“笑わせるひとたち”考

ボクの書架の片隅に60年代〜70年代に発刊された何種類かの季刊誌がある。多くは歴史・文学・芸術関係だがほとんど全てが長続きせず、廃刊されている。 その1つが『季刊藝術』。1967年春(昭和42年4月1日)に創刊された。毎刊定期購読したわけではないが、内容…

“故郷はつらい土地”なのか・・

藤沢周平記念館が鶴岡市(山形県)に完成した。 周平さんの文学・業績・人柄をふるさと荘内の知的風土、作品の土壌とともに紹介する記念館で、小説の「海坂藩」のモデルとなった荘内藩の鶴岡ケ城跡(公園)にオープンした。初日4月29日に1000名、五月連休も来館…

“宙ぶらりん”のUK新政界地図

6日に行なわれたUK総選挙。予想通りGordon BrownのLabour Partyが前回選挙より議席を約100票減らし大敗、第2党に転落。David Cameron党首のConservative Partyが第一党に返り咲いたものの、議席数306で過半数326に届かず、単独で組閣できない。 これまで保守…

“時の切断・断絶”に頭痛と眩暈

新たな時代の到来などという耳障りの良い言葉がよく聞かれるが、“時代の大きな変わり目や断絶”に冷淡だったり、その変化についてゆくのに躊躇した作家や文化人は少なくない。 我が敬愛する藤沢周平さんが他界する二年前の1995年(平成7年)5月に著したエッセイ…

成果主義と“効率”志向に走る公立学校の非文化

東京都に隣接する埼玉県の教育行政にはどうしても馴染めない。 県立高校を次々と統廃合してゆく。進路・進学実績が劣り、在校生徒の非就学率(中退・非卒業率)の高い学校は不要だという考えだ。つまり、低学力生や就学意欲に欠ける指導困難生の多い学校を極力…

心の知能指数

「子供の日」になると学校教育の役割と現代の子供の実相を考えさせられる。 某紙の編修委員が第二次大戦中、ユダヤ人迫害の中で子供たちを守ることにその生涯を捧げたユダヤ系ポーランド人、Janusz Korczak(コルチャック)先生の言葉を紹介している-- 「子ど…

平安と不安

幕張メッセで「Pet博2010」なる催しがあったので出かけた。 ずうたいも、毛色も、容貌もそして衣装も実に多彩なペット犬が集合した。保護者同伴だ。否、飼い主がペットを同伴して世界のペット関連グッズを観てまわり、買い求めようというイベントだ。 我が家…

“旗めく護憲”--非核・非戦の源泉

憲法施行63周年である。ばらつく改憲派の集まりに比して護憲派の集会は心なしか熱気と勢いがある。 背景に昨年4月のObama Prague Speech on the World without nuclear weaponsがあるのは確かだ。 折りしも、今日N.Yで核不拡散条約(NPT)再検討会議がはじまる…

Povety Line(貧困線)の曖昧さと体面保持のニッポン

The NY Times Times Weekly Review最新号一面のHeadline--- “A Shaken Japan Faces Harsh Reality: Poverty Exists”(厳しい現実に直面するニッポン:存在する貧困)---The NY Times東京支局長Martin Facklerのコラムに注目した。 10代の娘一人を育てる母子家庭…

行楽日和のメーデイ、標的定まらぬ諦めのお祭りか・・

今日は第81回メーデイ(May Day)。久々の好天、春暖の土曜日である。戦後復活した初のメーデイは1946年、“働けるだけ飯を喰わせろ”のスローガンのもと中央大会に280数万人が参加した。その名も「食糧メーデイ」。敗戦直後の飢餓寸前、極限状態の国民生活が浮…