行楽日和のメーデイ、標的定まらぬ諦めのお祭りか・・

今日は第81回メーデイ(May Day)。久々の好天、春暖の土曜日である。戦後復活した初のメーデイは1946年、“働けるだけ飯を喰わせろ”のスローガンのもと中央大会に280数万人が参加した。その名も「食糧メーデイ」。敗戦直後の飢餓寸前、極限状態の国民生活が浮き彫りになる。

19521年5月1日、皇居前広場は一部が暴徒化し警官隊と衝突、「血のメーデイ」となった。背景に日米安保条約への抗議と警察予備隊再軍備への激しい怒りがあった。
本日の全労連主催の代々木公園で開かれた中央メーデー、参加者は約3万2000人だった。


ボクの住まいに比較的近い井の頭公園では三多摩メーデイ。“変化をチャンスに!”をキャッチフレーズに「働く者の団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」と呼びかける。
中央集会で全労連議長は「賃金底上げや中小企業の活性化こそ、貧困と格差の解消、景気回復の道だ」と強調する。
某紙は“正社員が当たり前の社会へ--改革の展望開く共同を”と働く者の団結を訴える。
折りしも総務省が発表した労働力調査によれば、3月の完全失業率は5.0%と前月より悪化、特に34歳までの若年層の失業率が際立って高い。
一方3月の有効求人倍率も0.5倍を下回っている。首都圏の段差は異様だ。東京0.6倍に比して隣接県の埼玉は0.38倍とヒドイものだ。全国ワースト5に低迷する。この落差の理由が分らない。
それ以上に眼も当てられないのが「正社員」の有効求人倍率だ。前年同月比で0.04ポイント悪化の0.28倍だから堪ったものじゃない。非正規社員の雇い止めも前月を上回り27万人を超えた。
それでも本日のメーデーに対しメディア・主要紙の扱いは記事を探すのに苦労するほどだ。欧州スタイルの“春の祭”の様相か・・

May Day発祥の地は米国イリノイ州シカゴだ。1886年5月1日、長時間労働で苦しむ米国の労働者が8時間労働を要求して、シカゴを中心にストライキに立ち上がったのが始まりだ。発祥の拠点はシカゴのHaymarket広場、その広場で起きた爆破事件の犯人として労働者がでっち上げられ死刑されたのがきっかけだ。
Haymarket Riot(ヘイマーケット事件)として知られる。シカゴでは地元労組が主催し、May Dayのきっかけとなった“Haymarket Riot”を記念する碑の前で式典を開く。

いま米国の労働者にとって怒りの対象の最たるものはN.Y、Wall Streetの大手金融機関だ。「銀行はボーナスを減らせ」「貸し渋りをやめろ」。29日、米国各地から集まった労働者約10,000人がThe Wall Streetで大手銀行の利益至上主義を糾弾するデモ行進を行なった。

本日の我が国中央メーデーは誰を標的にし糾弾したのか。そこが曖昧だ。