2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

米共和党副大統領候補指名の怪、一匹オオカミが二匹オオカミに・・

米政権での副大統領については、多くの者があまり権限や存在感を感じていないのが正直なところだろう。でも、過去のケースを振り返るとそうではない。 1963年11月22日12時30分、J.F.Kennedyがダラスで凶弾に撃たれ、同日13時死亡が発表された。間髪を入れず…

“Eight is enough”(8年間でもう充分)-Al Goreの名調子「現政権のリサイクルだって?ご冗談を!」

米民主党全国大会の最終日、Denver、Invesco Fieldフットボール競技場でのSen Barack Obamaの大統領候補指名受諾演説に76000人が熱狂した。未曾有のフィーバーである。 44分のスピーチーの中身にObama候補の誠実さと新鮮さを感じる。具体的政策を打ち出すな…

60年代の夢がいま現実に・・

Sen Barack Obamaが民主党大統領候補に正式指名された。黒人初の大統領候補の誕生である。女性初の大統領候補の実現をめざし、Sen Hillary Clintonをいまなお熱烈支持する人たちも少なくない。ボク自身昨年の今頃はHillary支持だった。 が、米国の抱えてきた…

いま求められるのは「強い司令官より賢明な指導者」

邦人青年が凶弾に斃れた。アフガンでの悲劇、言葉はない。会の事務局長が言葉を絞り出す。「志高い若者が最悪の結果になった」 殉職という言い方はしたくない。崇高な目的も献身的な働きも全く通用しない非情な世界に身を置くリスクは想像を超えたものがある…

人種問題が沈殿する大統領選

米民主党全国大会がDenverで幕を開けた。今日は現地時間で火曜日だ。予備選で敗れたSen Hillary Clintonがステージに立つ。最大の焦点は、熱烈なHillary支持者にどのようなメッセージを発するかだ。予備選の初期段階から公然とHillary支持を旗幟鮮明にしてい…

Bird's Nest「鳥の巣」に別れを告げ、Denver(デンバー)へと

北京五輪閉会式の24日も、中国当局は雨天を避けるためロケット弾を発射、雨雲を蹴散らした。このところ日本は東海から東北まで雨続きでうんざりだ。大雨による被害も頻発している。北京に習って、「人工消雨」措置が取れないものか。 「鳥の巣」でのセレモニ…

「宴のあと」の競技者や僕らの心模様

五輪後の中国は「安定成長」と「平和外交」を基軸に動き出すだろう。これは単なるスローガンではなく国際社会共通の躍進する中国への願いであり期待だ。 四川大震災の被災地はどうなるのか。五輪で脚光を浴びた選手も心を痛めている。男子陸上100,200を驚異…

謙虚さとひたむきさ、そして冷静に先を見通す眼

男子マラソンでワンジル選手が圧勝した。ケニアに初の金メダルをもたらした。日本の高校に留学し、長距離選手に育ったワンジル選手がインタビューに答えた。 『日本で我慢することを教わりました』 最後尾でゴールしたのは日本の佐藤選手だった。76位。後続…

北京五輪期間中、里帰りを強いられる季節労働者たち

五輪開催にあわせて、北京にきらめくような新しい高層ビルが次々と姿を見せた。これらの建設に従事した人たちの大半は地方からの出稼ぎ労働者である。2年前に田舎をあとに上京し、建設現場で2年間働いた溶接工。月収約3万円だった。 高層ビルが出来上がり、…

五輪アラカルト−屈辱・悪夢と呼ぶなかれ!競技には失敗はつきもの

昨日は米国にとって屈辱と悪夢の日だった。男女400m予選でなんと、男女ともにバトンミスがあり決勝進出がならなかった。ソフトボールで五輪連続金メダルの世界チャンピオンチームが決勝戦で日本に敗れた。米国チームにとって思わぬ敗退だろう。呆然自失、涙…

気になる北京五輪の後遺症

北京五輪会場の外でのデモに79歳Wuさんと77歳のWangさんが参加していた。互いに住まいがお隣同士の二人のお婆さん、五輪に向けて家の立ち退きの憂き目に逢った。当局にデモ参加の許可を申し出たが門前払いを食い、“禁固1年の労役による再教育”刑に処せされ…

中国の人たちの心底に宿る“美(しい)国、米国”への(片)想い・・

北京の中心街、王府井(ワンフーチン)の大通りに大きな書店がある。北京滞在中には必ず立ち寄り、外国書のコーナーに足を運んだ。日本語や日本文化関係のもの極めて少ない。美国の雑誌、美国の単行本がずらりと並び、学生たちやビジネスマンが群がっている…

メダル・チェーサーの歓喜と悲哀

北京五輪の中国の英雄、劉翔選手が110mハードル予選のスタートを前に、肩を落としながら「鳥の巣」から去って行った。怪我による棄権である。スタジアムに衝撃が走った。 劉翔選手の心の痛みは脚の痛み以上だろう。人民ネットの論評に注目したい。 『劉翔に…

競技を終えたあとの言葉に耳を澄ませる

ボクがオリンピックを初めて知ったのは1952年ヘルシンキ五輪。日本が第二次大戦後はじめて参加したオリンピックだ。参加国は60数カ国に過ぎず、ラジオでの実況放送が主な時代だった。チェコの長距離ランナー、ザトペックの活躍が今なお鮮やかに蘇る。 あのと…

知られざる「長距離ランナーの孤独」

朝の北京、気温23度。女子マラソンがスタートした。途中で雨が降る。天壇公園のなかを、広大な北京大学と精華大学の構内を選手達が鋭角的に駆け抜けてゆく。 期待されていた日本選手の1人が苦痛で顔をゆがめ、脱落してゆく。サングラスの下の苦悶と悲しみの…

盧溝橋の下を川が流れる−アーカイブスか?

北京五輪の過剰演出の実態が次々と明らかにされる。開会式の映像の序曲はCGを流し、可憐な少女歌手が「口パク」、果ては“中国の56民族を代表して”と紹介されて民族衣装を着て場内行進した子どもたちの多くは漢民族だったという。北京五輪委は「中国ではよく…

8/15−また巡り来るホットな日に想うこと

今日8月15日「終戦記念日」を敗戦記念日と呼ぶ人もいる。敗戦と呼称するとき、そこには勝利を目指した者の悔しさが宿るのではなかろうか。当時の日本軍の幹部や軍人さんならいざ知らず、一般庶民は63年前のこの夏日をどのように受け止めたか。米軍B29の無差…

軍事紛争渦中の五輪格闘技

ロシア大統領がグルジアでの軍事行動の停止命令を出したことにより、停戦(cease fire)の形となったが先行き不安だ。 グルジアはGeorgiaと表記する。アメリカのジョージア州と同名だ。現グルジア政権は親米だ。米国はグルジアに軍事援助し、NATOに加盟させよ…

谷本のIppon for Nippon、油照りの蒸し暑さのなか鮮烈な涼

現役で働いていた時代も、夏八月はヒマに過ごそうと思いながら、精勤に流されていた感が強い。二月の厳寒と八月の酷暑は苦手なのに、なぜか気ぜわしく働いたものだ。我が国の経済発展の秘訣は、人々の夏の勤勉さにあったのかもしれない。 今年の夏は長さは思…

スポーツ界のスター選手が名伯楽に・・

北京五輪の水泳で注目の北島が驚異的でパーフェクトな結果を出した。平井伯昌コーチの存在も見逃せない。名伯楽というべきだろう。 往時の名選手イコール、名コーチ、名監督という例はそう多くない。 北京五輪にエントリーする数ある種目のなかでも、影の薄…

夏に思う、サマータイム導入の是非

地球温暖化対策の一環として我が国政府もサマータイムの法制化と導入を目指している。米国などではsummer timeをdaylight saving time(DST)と呼んでいる。太陽の出ている時間を有効に利用しようという意味だ。明るいうちに仕事をして、夜は早く寝るようにな…

試してみよう分厚い辞典での言葉調べ

昨日の週間ブックレビューの特集が面白かった。暑い夏に“分厚い”本を読もうというわけだ。原稿15,000枚に及ぶ長編小説もあれば全20巻以上の古典も紹介されたが、なんといっても目を惹いたのは今年刊行された「広辞苑」第六版だ。 かねてよりボクは辞書調べが…

五輪停戦(cease fire)の願いをよそに轟く砲火

北京五輪が開幕した。我が国の英字紙の一面ヘッドラインはBeijing Olympics Kick Off'単純明快だ。 国連事務総長は北京五輪期間中、世界各地での戦闘を中断するよう「五輪停戦」を呼びか、「博愛の精神が金メダルを獲得できるよう、一時的にせよ戦闘中の者た…

余りにも人工的な五輪の街のぎこちなさ

昨年まで何回となく北京を訪れたボクにとっては、今までのオリンピックより今日開幕される北京五輪は大いに気になる。 五輪前夜というべきこの1年、中国は次々とunexpected incidents & affairsに遭遇した。中国食品への不安と不信、ラサ暴動を契機としたチ…

五輪女子サッカー予選-NZの気骨・ひたむきさ

北京五輪開会に先駆けてスタートした女子サッカー予選。日本女子はは世界ランキング格下といわれるNZチームと戦った。 試合開始当初からNZの勢いと動きがいい。素人ファンでもわかる。これが格下チームかと目を疑う。三年前だろうか、日本に0-6で完敗した相…

平和“記念”ではなく、平和と核廃絶を“祈念”する日ではないのか

広島に原爆が投下されて63年目の日である。 広島市での式典名は、何故か、相も変わらず「平和記念式典」だ。犠牲者への追悼と懺悔を基調とした平坦なセレモニーの感が否めない。 『二度と過ちは繰り返しません』の主語は不明。日本語特有の表現として取り立…

“究極のプロフェショナル”(the ultimate professional)とは?

professional(プロフェショナル)とはひと言でいえば「その道の専門家」。“プロ意識をもつ”意味がそのなかに含まれているが、プロ意識が自らの職業人としての意識にすぎないものであるとすれば、それだけでprofessionalとは称し難い。 例えば、1980年代後期か…

メディア・リテラシーを考える-TVは政治の実相を伝えない

安江良介さん(岩波書店元社長/『世界』元編集長)が他界されてもう10年になる。信頼できるジャーナリストとしてその早世を惜しんだものだ。 先週末内閣改造もあり、連日TVはトップニュースで政治問題を取り上げ、新顔大臣や現政権の目玉になる?大物幹部を次…

“子供が感じない、無感動だ”と嘆く前に

今の子供たちは自分の感情を封印しているのではないかと考えざるを得ない場面に出くわすことが少なくない。 何を訊いても「別に」とか「分からない」とか、ぶっきらぼうな答えを返してくる子供や若者が増えている。日本の子供は語彙力や表現力、感性に欠けて…

街に本屋さんはあるが、美術館(画廊)・名画座・小ホールがあれば

藤沢周平関連の新刊本が今朝宅急便で届いた。 『未刊行エッセイ集-帰省』と『拝啓 藤沢周平様』(佐高信/田中優子)の二本である。 没後早や11年になる周平さんだが、何故か、落穂拾い式にエッセイが見つかり刊行される。ご本人は自身で書いたものを全て刊行し…