米共和党副大統領候補指名の怪、一匹オオカミが二匹オオカミに・・

米政権での副大統領については、多くの者があまり権限や存在感を感じていないのが正直なところだろう。でも、過去のケースを振り返るとそうではない。
1963年11月22日12時30分、J.F.Kennedyがダラスで凶弾に撃たれ、同日13時死亡が発表された。間髪を入れず、その時機上の人であった副大統領Ryndon Johnsonが機内で大統領就任を誓約した。
1974年8月9日、Richard NixonがWatergate Scandalで世論の集中砲火を浴び辞任表明。同日、Gerald Ford副大統領が大統領に就任した。
Sen John McCainがアラスカ州知事Sarah Palin女史を副大統領候補に指名し、全米を驚愕させた。一匹オオカミがもう一匹オオカミを引き連れた感がある。民主党Barack Obamaに敗れたHillary Clinton支持の女性票を取り込もうとする狙いは明らかだ。McCain氏はPalin女史に今まで一回しか会っていないという。ほとんど面識もない、小さな町の市長と州知事を20か月つとめたばかりの44才の超保守派だ。中央政権ではほとんど無名の女史に副大統領がつとまるのか。長男が来月兵士として、イラクに従軍すると忠国振りをアッピールし、集会で大喝采を浴びたが、近年の米政権における副大統領の役割を心得ているのか。影の大統領といわれている現副大統領Dick Cheneyのアドバイザーが懸念を表明している。Mondale, Bush, Al Goreなど副大統領の役割は大きかった。
John McCainは72歳。最高齢の大統領候補だ。万が一のとき、Sarah Palin女史は米国の指導者であり米軍最高司令官であり、世界のリーダーになりえるのか。“危険極まる賭け”との声が上がるのも当然だ。