2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

経済的価値が崩れると伝統と云う名の“郷愁・懐旧”が頭をもたげる-警戒すべし

「伝承に創造を加えて伝統となる」と誰かが言っていた。なるほどと合点がいく言葉だが、辻井喬氏の≪新しい伝統観≫には覚醒させられた。 氏は“伝統は郷愁ではない”と次のように明解に語る。 「伝統は風土と気候に深く影響されながら、それによって決定される…

LDPもDPも似たもの同士

DPのO代表も珍しく粘り強い。与野党を問わず、権力者が粘り強さを手にすると厄介だ。 A.Bierce「悪魔の辞典」は『(粘り強さとは)この特質が最高の発達をとげるのは権力者の手の中においてであり、また政界で出世するには有用な素質であるとみなされてもいる…

昭和は遠くなりにけり?--問われるメディアの報道姿勢

創刊130年を迎えるA紙が昭和を様々な角度から検証しようとする。 A紙に限らず、戦時中、こぞって大政翼賛化し、軍国日本を後押しした。A紙は1945年11月7日「国民と共に立たん」と題し次のような社告を載せている。 「開戦より戦時中を通じ、幾多の制約があっ…

Twinsの跡はOneがいい

2001/9/11terrorists attackから7年半を経て、跡地に高層ビルの建設が予定されているが、どんな名称にするか思案しなければならない。当初のプランはThe Freedom Tower。テロリストに対する自由の世界の勝利の象徴という意図を含む意匠だったが、New YorkとN…

欝(うつ)にはface-to-face counselingがお薦めだというが・・日本では?

日本の地方在住の英国人がうつ病になった。地元の心療内科・精神科医にかかったものの、薬をもらって自宅での休息を指示されただけ。一層、病状が悪化したという。 欧米人からみれば、日本の医療システムは多くの分野で優秀だが、psychologistsとcounselors…

An Ancient Culture, Bulldozed Away--少数民族の伝統文化をぶっ壊す中国当局

中国当局にとってチベットと同様、少数民族ウィグル族は目の仇なのか、何世紀にも亘って伝承されてきた泥レンガと金貨をちりばめた伝統的な創りの建物をブルドーザーで押しつぶし排除しつつある。 ウィグル族の商人たちはこうしたKashgar(カシュガル)の古い…

Ichiro comes through for Japan(イチロー祖国に尽くす)/Yes, we canがYes, we didへ

WBCでSamura Japanが二連覇。それもIchiroの見事なタイムリー・ヒットで苦手韓国チームに勝利。これじゃ絵になりすぎだと言うものだ。韓国紙も「名誉の二位」「イチロー、戦犯の汚名を晴らす」と昨日の日韓決戦を大きく報じた。 我が国英字紙のHeadlineは“Ic…

Get to the top(頂点を目指せ) / We are down but not out(ノック・ダウンしてもノック・アウトされない)

連日どこかで大学の卒業式が催されている。学長・総長の告示も傾聴に値する、あるいは歴史に残るような内容を耳にするのは稀有である。でも、98年度の東大卒業式での蓮実重彦総長(当時)の45分に及ぶ告示は話題になった。 その告示は『あなた方の知性は、まさ…

Back To Winter

今日はBack To The Futureを文字ってBack To Winter。春の嵐というべきか、春風が寒風に逆戻り、異例の早咲きが予測された都内の桜も待ったをかけられた感じだ。 例のPremier Asoの読み間違いのおかげで“未曾有”という言葉が目に付く。≪戦後未曾有の金融危機…

“命を惜しめ・・”-語り継ぎたい現代史に残る言葉

NHKの長寿番組「その時歴史が動いた」が幕を下ろした。特に現代史やドキュメンタリーやニュース番組を好んでみるボクなどにとってはさらに続けてほしい番組だった。 まさにこの番組は「今日のニュースは明日の歴史」という言葉を思い出させてくれた。4月以降…

“待てアマゾン!”だと・・?

書物のネット販売ダントツのAmazonに対し、出版流通対策協議会が異議申し立て。書籍の安売りが目に余ると販売中止を求めるという。 定価1000円の新品と変わらぬ中古本が1円+送料で注文、翌日送られてくるので売れるはずだ。それでなくとも街の大手書店に出か…

誕生して間もないWBC、何故クラシックなの

日本ではいまSan Diegoで開催されているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での“侍ジャパン”の健闘に沸いている。米国のMLB機構と同選手会が主催する野球の国際大会だが、三年前の2006年にオープンしたぱかりで、今年は二回目だ。MLB機構はこの大会を…

想像力と想像を絶すること

ノーベル物理学賞受賞者の益川先生が「(私の戦争体験は)小さな体験だけれど、焼夷弾が自分のところに落ちて不発弾だった、ただそれだけです。しかし、そのことを通していろいろ想像してみると、たいへん怖い経験だったなと思う」と語っている。 ボクの戦時の…

potetialとcapability--開発可能な能力、まだ伸ばすことの出来る潜在力はどちら?

ポテンシャル(potential)というカタカナ語をよく耳にする。大概、「成長」「発展」「開発」といった前向きの概念に結びつき、好ましい可能性、好結果をもたらすことが予想される潜在力を表わすケースが大半だ。が、potentialは上のような名詞の意味もあるが…

学校を真の「学びの場」にするのは容易ではない-教師に求められる謙抑の態度

長年学校現場で働き、リタイアーして早や1年を過ぎようとしている。その間、「子供たちの自主性を伸ばし、自分らしさを発揮させる教育」の必要性を行政当局やメディアや教育評論家から嫌というほど聞かされた。 が、学校を去って解ったことは『現場では何が…

漢検やめて数検がお勧めモノ

いまやナントカ能力検定試験が大流行だが、漢検はいただけない。高い検定料を集めて巨額をせしめ、金まみれだ。怪しい団体はお引取り願いたい。英検・漢検に10代の子供が群がるのにはワケがある。2級や準2級など有級者を推薦入試で優遇する高校・大学が多い…

乱れ、荒らされている日本語-使い方が難しい

早いものでもう20年前になるが、ソウル五輪の体操TV中継でNHK某アナウンサーが『ソウル・オリンピックで引退を賭ける李寧選手です』ときた。 ≪引退を賭ける≫とは何ぞや。うっかり聞き逃しそうだったが、こいつははおかしい。“再起を賭ける”ならわかる。引退…

Sense of Wonderと学ぶことへの欲求を育てているか?-教師は自問すべき

「80年代から消費文化が肥大してゆくなかで、学力競争に勝てば何かが得られると報酬を示して、学習すること自体に価値があると言ってこなかったのではないか」 いま注目の思想家U氏は特に初等教育や中等教育に携わってきた教師たちにこのように問いかけてい…

Obama戦略に学ぶ(その2)

民主党大統領候補予備選の渦中、Barack Obamaはある集会のなかで 3人の黒人男性が幕を掲げ「バラク、あなたは黒人社会に何をしてくれるというんだ?」と抗議の声を上げた。 この抗議に多くの聴衆からブーイング。が、Obamaは聴衆をなだめて3人の男性たち向か…

距離感を感じさせない語りかけられる言葉と注がれる目

Barack Obamaの話術には舌を巻くが、多くの聴衆への語り方、その手法はじっくり研究する価値がある。 Obamaの大統領選勝利を見越して?昨年10月出版された「オバマ『勝つ話術、勝てる駆け引き』(講談社)の分析によれば--- 『オバマの手法のなかでも採り入れ…

温暖な日和の卒業式-辛夷やわらびより桜餅が似合いそう

前任校の卒業式に招かれた。去年までホストだった我が身がゲストに変転した。得に言われぬ妙な気分がするものだ。風が少し強かったが、温暖な日和だった。 幸田文が随筆「雀の手帳」なかで次のように書き記している。 『入学願書を出すのが梅で、試験が沈丁…

寺院内は禁煙?-同じ宗派でもまちまち

朦々と上がるお線香の煙を有難くも顔・頭に注ぐ巣鴨高岩寺の「とげぬき地蔵」。寺院内11箇所に“境内全面禁煙“の掲示が見られる。僧侶も信者も管理人もNo-Smokingを守らなければならない。2005年に巣鴨のこのお寺の管主としてやって来たKさんは境内に散乱する…

企業社員採用大幅鈍化のなか教員採用は好況?

2009年度の正規社員採用の「予定無し」と回答した企業の割合が46%に昇る。対前年比15.5ポイントアップだという。帝国データバンクの調査によるものだが、大卒生に限らず就職氷河期がまたもや到来。今度はいつ氷河が溶けるかわからないから困ったものだ。お涙…

ヨレヨレ総裁も逆ギレ党首も辞めて仕切り直ししたら如何?

失言癖に酔いどれ大臣が重なってヨレヨレ総裁。底なしの支持率低下で伝家の宝刀(解散権)も錆びついたA総理の末期症状が続くなかで、余裕しゃくしゃくのO党首。霙・雪混じりの昨日、公設第一秘書さんが逮捕されてさあ大変。準大手ゼネコンからの政治献金をめ…

“変化”を嫌い、共和党を反Obamaにけしかける米保守系メディアの正体

President Obamaが概要を発表した「庶民減税」「金持ち増税」の2010年度の予算教書だが、保守系メディアの警戒心はあらわだ。 The Washington Postはネオコンの評論家Chales Krauthammerのコラム記事を掲載。そのタイトルは『共産党宣言』をもじって『オバマ…

(続)漢検-やっぱり胡散臭い伏魔殿

ボロもうけで文科省からの立ち入り検査を受けた日本漢字能力検定協会(漢検)だが、ファミリー企業の理事長、副理事長が自民・民主両党議員の数名に多額の献金をしていた。胡散臭い団体だと思っていたが、怪しさを通り越して伏魔殿だ。 献金の原資となっている…

第二次“失われた10年”-失速が続く消費社会ニッポン

米国の不況のクシャミで我が国は悪性風邪が長引き直らない。表面的には、1990年代の不景気から回復基調を見せた感のある日本だが、賃上げもなく、株価の低迷が続くなかで、自由に買い物を楽しんでいた奥様たちがとたんに守銭奴に変わってしまったみたいだ。 …