想像力と想像を絶すること

ノーベル物理学賞受賞者の益川先生が「(私の戦争体験は)小さな体験だけれど、焼夷弾が自分のところに落ちて不発弾だった、ただそれだけです。しかし、そのことを通していろいろ想像してみると、たいへん怖い経験だったなと思う」と語っている。
ボクの戦時の体験も語るほどのものではない。敗戦濃厚だったころ、父に二度目の赤紙が届いて、母や祖父母が悲しんでいた風景。家の近くの防空壕に入り、雨の日になると膝辺りまで水に浸かって侘しかったこと。隣の繊維工場の社宅が爆撃を受け、多くの人が亡くなったことなどが微かに記憶に残っている程度だ。
その欠片のようなちっぽけ事象から想像力を呼び覚ますよう、益川先生は熱っぽく語る。
「あるかけらを見たときに、そこから全体像をどう想像できるか、それは人間だからできることです。戦争についても、ある鋭い目で見たときに見える予兆があるだけだ。その段階でやはり反応しなくてはいけない。それは最終的にはその人の持っている文化度であり、理性の力であり、そういう人間としての理性的なことだと思います。いったいこれはどういうことなんだと思いはせるような、そういう想像力だと思いますね」

余談だが、巨額の公的資金の投入で救済されたAIGの幹部ら400人に巨額のボーナスが支払われていたという。2008年度分の一部で160億円、そのうち22人が約2億円を懐にいれた。これには仰天、想像を絶する“暴挙”(President Obamaの言葉)だ。オバマ政権は議会と連携し課税強化を検討、課税率100%の法案も浮上はしてるとか。当たり前だ。