potetialとcapability--開発可能な能力、まだ伸ばすことの出来る潜在力はどちら?

ポテンシャル(potential)というカタカナ語をよく耳にする。大概、「成長」「発展」「開発」といった前向きの概念に結びつき、好ましい可能性、好結果をもたらすことが予想される潜在力を表わすケースが大半だ。が、potentialは上のような名詞の意味もあるが、元来は形容詞で「潜在的な」「可能性のある」という広範な意味だ。そのため、potential adversarytが『仮想敵国』を意味するように、特に望ましいことと結びつく語というわけでもない。事故を引き起こす可能性も、ある物質が将来重病を発症させる可能性などもその元はpotetialなのだ。

その点capabilityの意味はは明解だ。形容詞がcapableであるだけに、≪将来伸びる可能性・素質≫にズバリ結びつく。
外来語としてケイパビリティ(capability)なるカタカナ語にお目にかかることは、我が国のメディアはもとよりエッセイや評論のなかでも稀有である。というより、真の概念がわからず使いこなせないからだろう。