2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
3000本安打を達成したイチローのコメントの中で最も共鳴したのは「また次の壁をつくる」という言葉。自分の新たな壁をつくってそれを突き抜けようという意味だ。 自分にとって少し困難な課題を設定して、それを達成しようとする普段の習慣はそうたやすく身に…
クラスター爆弾の禁止条約案をめぐりオスロ・プロセス、ダブリン会議が合意に達した。その残虐性はベトナム戦争で問題になったナパーム弾の比ではない。不発弾の市民への影響は今なお極めて深刻だ。 (米中露などクラスター爆弾の主要産国・保有国はこのオス…
TICADと云う名の聞きなれない会議が横浜で始まった。第4回アフリカ開発会議と呼称されているが、The Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発東京国際会議)が正式名だ。今回で第四回目だが、1993年第一回会議を開催、「冷戦終結…
No news is good news(知らせが無いのが良い知らせ)というが、今朝の米紙Chicago TribuneはPaul Greenbergのコラムを掲載。Head Lineは'Good news is no news'。最近の米国メディアのイラク報道を「景気のいいニュースは中身は空っぽ」とこき下ろしている。 …
上方落語が江戸に乗り出し、常打ちする意気込みだという。このところ寄席に若い女性が群がる。落語マニアの女子学生がいるくらいだ。だけど、やれ寄席ブームだ、落語人気の復活だなどと一概にはいえない。どだい、このマニアという奴が曲者だ。マニアは異端…
最近、学校で「保護者の満足度」が盛んに取り上げられる。特に私学ではそうだがCS(Customers Satisfaction=顧客満足度)なるものが強調される。ボクなどが学校に通っていた時代およそ耳にしなかった言葉だ。 先ごろ、A紙とB教育研究開発センターが公立小中に…
小林多喜二の作品が俄かに売れ出した。『蟹工船・党生活者』(新潮文庫)が今年になり突然100刷を超えた。 背景には悲惨な立場におかれているこんにちの貧困・格差問題、ワーキング・プアの現状があり、1930年代の労働者の無権利状態と重なるものがある。多喜…
米大統領選民主党候補Sen. Barack Obamaがイラクなど中東諸国を訪問、アフガンを経て、ヨーロッパに足を運んだ。最初の訪問国はドイツ。BerlinはObamaの来訪に熱狂した。演説会場選びが二転三転したほどだ。 「ベルリンの壁崩壊後ほぼ20年、いま世界を分断さ…
1990年代に登場し、90年代半ばに最も流行した言葉に「共生」がある。当時ボクは、こんにち(20世紀末)及び将来(21世紀)における人間の望ましい生き方を考える上でのキー・ワードの1つとして、この共生の意味の正しい理解を若者たちに呼びかけた。 国際関係に…
「人は人生の前半で学ばなければならない」という。そして学ぶことから働くことにいかにつなげてゆくか。働くことの意義は何か。それは社会への貢献だろう。『人は自分以外のもののために働いているとき、そしてそこに自分がいなければ困ると感じたとき、最…
かねてよりの持論だが、企業・自治体はもとより学校の場合も、リーダーたるもの、多少はbilingual(自国語以外の国語を使える)な人材が不可欠だろう。いずれ日本もmulti-cultural society(多文化社会)に向かうのは避けられないからだ。他国語とは英語のことだ…
数ヶ月前まで、人に子供の教育についてとかく講釈する立場にあったボクだが、ずいぶん昔のことのように思われる。 自分の子供の教育のことを訊かれるとまるで語れない。幼児期や小学校の頃は、子供たちと時間を共にした記憶も少なくない。その風景が写真にも…
近づく北京五輪。当初、中国当局が世界に発信した千客万来の歓迎ムードが一変した。チベット暴動や四川大震災に端を発した中央への不満や地方での不穏情勢そして見えないテロの恐怖などが、いつの間にか“Beijing Welcomes the World”のスローガンを“Olympics…
LA Timesに掲載のDodgers Blogは野茂英雄投手のMLBからの引退を惜しみ、あの豪快な快投を思い浮かべ、賛辞する。 Head Lineは“No Mo' Nomo”。本来はNo More Nomoだろう。が、その意味は、63年前のカオスの季節が近づくNo More HioroshimaやNo More Nagasaki(…
2001.9/11テロの直後、President Bushや第二次大戦を体験した米退役軍人たちの合言葉は“Remember Pearl Harbor”(真珠湾を忘れるな)だった。MLBの球場では'God Bress America'がこだました。愛国心を鼓舞し、War Against Terror(テロとの戦い)の掛け声のもと…
22歳で初めて来日した中国生まれ楊逸さんが、在住22年で芥川賞を受賞した。初の非母国語の芥川賞作家の誕生は喜ばしいことだ。 日本語を実に見事にこなす欧米人など非日本人は少なくない。が、日本語で文学作品を書くとなると、外国人にとって想像以上に日本…
米軍がイラク侵攻を開始して間もない2003年3月。戦闘に巻き込まれ負傷した4歳のイラクの子供を抱きかかえて走る米軍衛生兵の姿が世界に衝撃を与えた。その必死の表情の1枚の写真がこの衛生兵を時の人に押し上げた。兵士の名はJoseph Dwyer。撮影したフォトジ…
“粛々と・・”と云えば、「鞭声粛々夜河を渡る」(山陽詩鈔)が口をついて出る。この“粛々”、『静かにひっそりとしたさま』『静かに行動する様子』が本来の意味だが、政治家(特に為政者)や、何か物事を推し進めるようとする策士などが『粛々と審議をすすめる』…
英紙The Timesの最新Onlineが伝える。 Washigton D.C.で“影の上院議員”と認めらているあのJessee Jackson師がSen.Barack Obamaの批難・攻撃に出ているというからビックリ。Jackson氏はこの10月で67歳。市民権運動家として知られ、Baptistの聖職者でもある。1…
米国の高校で生徒・保護者に学校生活の心得(Parent-Student Handbook)が渡される。その中のStudy Guideに『成功のための戦略』(Strategies For Success)が列挙されている。 その第1は“Listen Well”「傾聴力」。次の4指針を掲げている。 ◇Concentrate on wha…
地球資源の1つ原油が枯渇しているわけでもない。世界の穀物生産が大きく後退しているわけでもないだろう。なのにこんにち、未曾有の危機的状況に直面している。穀物生産の不足は、地球温暖化による気候変動、特にアフリカやオーストラリアの緑地地帯の砂漠化…
事前に映画評などまったく読まず、有楽町のシネカノンなる映画館に『歩いても歩いても』という妙なタイトルの邦画を観にいたった。(映画の最中、いしだあゆみの70年代のヒット曲『ブルーライトヨコハマ』がレコード盤から流れた。『歩いても・・』のタイトル…
一昨日閉幕したG8洞爺湖サミットについて英紙に劣らず仏紙フィガロの論評は手厳しい。それもそのはず、地球温暖化や食糧・燃料価格の高騰など世界が直面する重大な課題に対し説得力ある対策を打ち出せなかったからだ。例えば、温室効果ガス削減に関していえ…
G8最大の焦点というべき温室効果ガス削減。自らの責任を曖昧にして、2050年までに半減を世界に呼びかけたところ、案の定、中国・インドなど新興国を加えた宣言ではこの数字も見事に消されてしまった。 我が国首相は自画自賛し、他の首脳からもリーダーシップ…
今朝の主要紙の一面トップは“G8合意-温室効果ガス・二酸化炭素、50年半減 世界目標に”。だが、内実は温暖化対策を「世界」に転化し、先進国の責任を転嫁したものにすぎない。2050年までに排出ガス削減の長期目標50%を設定したものの、中期目標の数値は不明だ…
洞爺湖サミットに費やす経費が気になるところだが、驚くべき数字が明らかになった。英紙The Timesによれば、日本政府の投じた経費はなんと約600億円。3年前自爆テロで50人以上の犠牲者が出た英国で開かれたサミットの経費の3倍以上に及ぶという。この予算の…
北京の東部にある港町Tianjinにある40の工場に対し五輪に向けて操業休止命令が出された。オリンピックが大気汚染で台無しなっては泣くに泣けない北京当局の最近にみる強硬措置である。 Tianjinではサッカーの試合が何試合か行われるため、競技場近くのビル建…
1963年1月「文学座」が分裂した。分裂というより、芥川比呂志以下、中堅・若手座員29名の脱退劇。その中に文芸部員で評論家の福田恒存が含まれていた。日本演劇界最大の事件だった。芥川と福田は「現代演劇協会」を結成し、劇団「雲」が誕生した。 が、福田…
中国の八月は例年乾季だ。これまで余りにも日照りが続くと、人工雲をつくって、雨を降らせた。世界初の実験は1946年米国マサチューセッツで成功。最近では、2006年7月のG8サミットでロシアのプーチン大統領(当時)が空軍ジェットを使って、フィンランド上空…
朝の通勤・通学時間帯に最寄駅から私鉄電車に乗った。1週間振りだが、いつもながらいろんな高校生がドッと乗り込んできた。車内の風景がいつもと違うようだ。つり革につかまりながらプリントやサブノートを相手にしている生徒たちがかなり目につく。そうい…