米国主導のG8はもはや限界-明快で厳しい仏紙

一昨日閉幕したG8洞爺湖サミットについて英紙に劣らず仏紙フィガロの論評は手厳しい。それもそのはず、地球温暖化や食糧・燃料価格の高騰など世界が直面する重大な課題に対し説得力ある対策を打ち出せなかったからだ。例えば、温室効果ガス削減に関していえば、財界さえもが“玉虫色”だと感想を述べるほど評価は低い。
世界経済の混乱や食糧・原油価格の高騰は米国のサブプライムローンの焦げ付き問題に端を発している。にもかかわらず、G8の首脳会議は取り扱う世界的課題にたいし、絶えずその米国に気兼ねしながら声明や宣言を出す始末だ。このクセは改まらない。このままだとG8は主要国首脳会議などと威張っていられない。仏紙フィガロは「金持ちクラブの無力さ暴露」と切り捨てた。G8はその正当性が崩れる去る前に中国・インド・ブラジル・メキシコ・南アフリカなど新興国に門戸を開くべきだ。
洞爺湖サミットに出席した中国胡錦濤主席は『世界のなかでこの五カ国は人口で42%、国内総生産で12%を占めている』と指摘し、いわゆる新興国発展途上国の発言権の拡大・強化を呼びかけた。G8拡大の流れはもはや後戻りは出来ないだろう。