自己責任が曖昧なG8-具象画が抽象画に塗り替えられる

G8最大の焦点というべき温室効果ガス削減。自らの責任を曖昧にして、2050年までに半減を世界に呼びかけたところ、案の定、中国・インドなど新興国を加えた宣言ではこの数字も見事に消されてしまった。
我が国首相は自画自賛し、他の首脳からもリーダーシップを発揮したとお褒めにあずかった自称“具象画”も偽装がばれ、新興国により抽象画に描きかえられてしまった。もはやG8そものが機能しなくなりつつある。北海道入りしていたアイルランドのポップスターBob Geldolfがインタビューにこたえて「小さな部屋で8ヶ国の首脳だけが地球上のテーマについて決定を下すのは無理だ。他の発展途上国も役割を果たす必要がある以上、政策決定に加わる権利もある」とG8会議の適格性に疑問を投げかけた。少なくとも中国・インドを加えるべきだとするのが大方の意見だ。
さらに今後、アフリカへのコミットメントが大きく高まるだろう。地球上最も豊かな国の首脳たちが集まりながら、地球上最も貧しいアフリカ諸国への支援額は余りにも少なすぎる。地球温暖化、食糧危機、エイズマラリヤなど蔓延する疫病、そして原油価格高騰と投機マネー。これら全て相互に関連するかつてない深刻な難題ではないか。
それにはG8の枠を超えた、独善的でない真摯で謙虚な拡大会議において議論を尽くすべきなのに、なぜか我が国はG8の拡大を拒んでいる。国連総会や安保理に任せればよいとする考えなのだろうが、国連は果たして機能するのか? 因みに国連で働く職員が際立った少ない国が日本だとか・・。