クラスター爆弾の全面禁止- 際立つ曖昧な態度の国

クラスター爆弾の禁止条約案をめぐりオスロ・プロセス、ダブリン会議が合意に達した。その残虐性はベトナム戦争で問題になったナパーム弾の比ではない。不発弾の市民への影響は今なお極めて深刻だ。
(米中露などクラスター爆弾の主要産国・保有国はこのオスロ・プロセスには参加していないが)今回の合意の背景には、クラスターをもつ主要先進国が実際に被害を受けている途上国や中堅国の意向に配慮、つまり人道的配慮を最優先にした事情がある。事実上の即時全面禁止となる議長国アイルランド案について国内世論を押し切り英独仏の主要国が受け入れた。「私達は、罪なき市民の人命を左右する変革のを実現する、その直前まで達した」と英政府代表は誇らしげにコメント。全廃を決めた英国などの主要国の決断に途上国から賞賛の声が上がるなか、わが国政府代表は「本国で真剣な検討を加えいてる」と述べるにとどまった。
欧州主要国の政治主導の合意決断に比べ、日本の曖昧な態度はダブリン会議で際立ったという。背景には防衛省幹部(制服組?)の難色があるようだ。これまで態度を保留してきたわが国首相も、ここへきて、条約案への同意を支持したと報じられているが・・。大丈夫だろうか。
昨秋も国連で核兵器を禁止する決議案が提示されたところ、米国と共に賛成しなかった国が日本だ。戦争をしないはずの国が極め付きの残虐非道な兵器の保有、開発にストップをかけようとしない。かかる兵器は国土防衛に有効なのか?
神経が麻痺した戦前の亡霊が今なお生きている感じがしてならない。