8月8日の北京は照る照る坊主

中国の八月は例年乾季だ。これまで余りにも日照りが続くと、人工雲をつくって、雨を降らせた。世界初の実験は1946年米国マサチューセッツで成功。最近では、2006年7月のG8サミットでロシアのプーチン大統領(当時)が空軍ジェットを使って、フィンランド上空に雲を製造した。
人工雲づくりでは中国は鼻高々だ。世界最大のプログラムを有する国だからだ。その中国が今度は“人工好天づくり”にチャレンジしようとしている。
狙いは8月8日、北京五輪の開幕日にある。この日は北京当局はもとより中国人民にとっても最高の日和でなければならない。出来れば“北京晴れ”であってほしい。
そこで、人工雨は8月8までスタンバイ。当日、開会式の行われるメインスタジアム「鳥の巣」上空に雨雲が現れたら、銀色のヨーカナトリウムを含む、爆薬を雲とスモッグに撃ち込み、まさに雲散霧消させようというわけだ。轟音はミサイルの発射以上と予想されているが、近隣住民はミサイル発射に慣れているせいか驚かないという。大砲を使っての“好天づくり”。いま北京ではお天道さま相手の世界初の大作戦を準備している。