Remember・・のあとに続くものは

2001.9/11テロの直後、President Bushや第二次大戦を体験した米退役軍人たちの合言葉は“Remember Pearl Harbor”(真珠湾を忘れるな)だった。MLBの球場では'God Bress America'がこだました。愛国心を鼓舞し、War Against Terror(テロとの戦い)の掛け声のもと、瞬く間にAfganistanの無差別空爆が始まった。米政権はAfgan Warを早々と“片付け”、Terroristとの関係を検証することなく、2003年早々、イラクに侵攻した。以来6年を経過、次期大統領選も米駐留軍のイラクからの撤退問題が大きな争点の1つになることは必至だ。イラクの治安は回復しつつあるというが実情はどうか。出口が見えつつあるとは思えない。
そのイラクよりいまアフガンの治安が悪化している。
米軍が掃討したはずのアフガン反政府勢力が勢いを盛り返し、反転攻勢を強めている。隣国パキスタンの動きも怪しい。このままだと戦闘は長期化・泥沼化しかねない。多くを派兵している英軍もジレンマに陥っている。日本政府はアフガン本土への派兵を見送った。賢明な選択だ。
アフガン国民の真の願いは何だろう。海外からの駐留軍の増援を望んでいるのだろうか。答えはNOだ。アフガンは世界の最貧国の1つだ。現他の人たちのの願いは少しでも人間らしい生活を送ることだ。そのための支援を世界に求めている。物乞いではない。
Remember Afganistan(アフガニスタンを忘れないで)の声は現実的で悲痛だ。
「私達は、中国産の安く粗雑な商品を買わされうんざりしています。私達はこの世界がより公正な世界になるようお金を使いたいのです。アフガニスタンには手織りで草木染の絨毯があります。麻薬の貿易以外に生計の当てがなく、果てしなくその日の生活に苦しむアフガン人を救うみち、それはアフガン製の絨毯を買っていただくことです」
出口無き悲惨な戦闘の深層に想像を絶する貧困が存在する。
昨日、今日のメディアは惜別を滲ませながら、'Remember Yankee Stadium'そして'Remember Hido Nomo・・と読者の感傷をそそる。
が、僕たちにとってRemember・・の後に続くべきものは世界の悲劇の深部に横たわるものではなかろうか。