“No Mo' Nomo” と菊池寛賞

LA Timesに掲載のDodgers Blogは野茂英雄投手のMLBからの引退を惜しみ、あの豪快な快投を思い浮かべ、賛辞する。
Head Lineは“No Mo' Nomo”。本来はNo More Nomoだろう。が、その意味は、63年前のカオスの季節が近づくNo More HioroshimaやNo More Nagasaki(広島・長崎を繰り返すまじ)とは異なる。
このNo Moreは≪二度と野茂は現れまい≫だ。
野茂投手の現役引退のニュースにいち早くコメントしたのはやはり王監督だった。王さんは、日本人プレーヤーにMLBへの進出の道を開いたパイオニアとしての野茂投手の功績を称えた。両氏とも剛健で朴訥で骨太のプロフェショナルである点、合い通じるものがある。
1995年、野茂投手は菊池寛賞を受賞した。先日、初の日本語を非母国語とする在日中国人作家楊逸さんが受賞した芥川賞を1935年に創設したのが菊池寛だ。その菊池寛賞が1938年創設された。当初46歳以上の作家を対象にしたものの6回で中止、1952年に復活した。以来、文芸以外にジャンルが拡大され、受賞者の顔ぶれが多彩になった。1961年に弱小球団西鉄ライオンズを率い日本一に押し上げた三原脩さんがこの賞を受賞している。菊池寛賞は解りにくい賞だが、三原監督と野茂投手、二人とも寡黙な開拓者だ、野茂さんの受賞した1995年は大震災とオウム、そして不況など、想えばおぞましい年だった。この年の野茂投手のLA Dodgersでのトルネードは数少ない明るいニュースだったことは確かだ。
Mo More Tornadoだろうが、引退後の新たなTornadoを期待したいものだ。