Obama戦略に学ぶ(その2)

民主党大統領候補予備選の渦中、Barack Obamaはある集会のなかで
3人の黒人男性が幕を掲げ「バラク、あなたは黒人社会に何をしてくれるというんだ?」と抗議の声を上げた。
この抗議に多くの聴衆からブーイング。が、Obamaは聴衆をなだめて3人の男性たち向かって声をかけた「わかった。後でじっくり質問に答えよう」
Obamaは自らの演説のなかでも人々の声に耳を貸すことが大切だと語っている。聴衆のクレームを聴くという姿勢はオバマ戦略の成功の秘訣といえる。
最近、企業や学校や役所に対するクレームが増えている。Customersの要求や苦情とはいえ余りにも過激な無理難題には辟易とすることが少なくない。でも、クレームは歓迎すべきだ。確かに、理不尽な要求もあるものの、多くは当方のミス・不手際・不始末が原因で、customersの仰るとおり、お怒りごもっともというべき内容だからだ。

むしろ、声高なクレームより怖いものがある。一般にクレームの声をあげる人は全体の1%--3%程度に過ぎないマイノリティだ。他のネガティブな声は顕在化せず、心に隠されている。これがサイレント・クレームというもので最も怖く、警戒を要する。
60年安保のとき、連日連夜、激しい抗議デモが繰り返され、当時のK首相の退陣を求める声が国会を包囲した。そのときK総理は「サイレント・マジョリティの声を聴きたい」と開き直った。
このサイレント・マジョリティだが、その実、サイレント・クレーマーなのが今の時代風景であり世情なのだ。