Sense of Wonderと学ぶことへの欲求を育てているか?-教師は自問すべき

「80年代から消費文化が肥大してゆくなかで、学力競争に勝てば何かが得られると報酬を示して、学習すること自体に価値があると言ってこなかったのではないか」
いま注目の思想家U氏は特に初等教育中等教育に携わってきた教師たちにこのように問いかけている。
「板書しながら『試験に出るぞ』と言っても、『人間として知っておくべきだ』とは言わなかったのではないか。教師も親も厳しく自問する必要があると思う」と同氏は語る。
受験学力をつける。一流といわれる大学への進学実績を上げる。これが、公私を問わず、日本の多くの中学・高校が目ざす1番の目標だろう。どこを切っても同じ顔。まるで金太郎飴だ。

生涯を通じて、あふれる好奇心とSense of Wonderを持ち続ける先輩をボクは敬愛する。教育界の最前線から身を引いたボクだが、いまあらためてU氏の次の言葉が重くのしかかる。
「教師自身が常に生き生きと好奇心にあふれ、学ぶことへの欲求に生きていることが、何を教えるかということ以上に、子供たちを学びに導くのではないでしょうか」