第二次“失われた10年”-失速が続く消費社会ニッポン

米国の不況のクシャミで我が国は悪性風邪が長引き直らない。表面的には、1990年代の不景気から回復基調を見せた感のある日本だが、賃上げもなく、株価の低迷が続くなかで、自由に買い物を楽しんでいた奥様たちがとたんに守銭奴に変わってしまったみたいだ。
某生命保険会社のリサーチャーは「“失われた10年”だった1990年代から第二次“失われた10年”に突入した。こんどは“失われた消費時代”の到来だ」と指摘する。

お風呂の流し湯を洗濯用に使って水道代を倹約するパートタイマーの主婦たち。晩酌用のハードドリンクももっぱら安売りを狙う。新車買いの関心は薄れ、車の販売台数も90年代の半分にガタ落ちだ。
有数のエレクトロニクス会社の高給取り社員も『いつクビになるかわからない。一寸先は闇だ。いまは預金するのが1番』だと慎重だ。
主人が公務員で定年に迎えた奥さんだが、喜びも中ぐらいなり。ホッとして息つく間もなくご主人の尻を叩く。
「ウチには、まだ所帯持ちじゃない子供が二人いるの。定年後もお父さんに出来るだけ働いてもらわなきゃヤリクリできないわ」
乗るのは中古車、買う野菜は安値モノ。ケチ・倹約も度が過ぎると日本経済は大崩れ。とてもThe Lost Decade of Economyから抜け出せるわけがない。