胡散臭い「英検」「漢検」

TOEIC, TOEFLに押され気味の英検(実用英語技能検定)だが、2-3級を10人以上の生徒が受験する学校は自校を試験会場として実施できる。
この機会を悪用し、送られてきた問題用紙を事前に開封し、出題される問題を見て、同校の受験生に単語の解答などをプリント、覚えさせるというサモシイ不正を繰り返していた都内私立中高の先生がおられたという。そのなかの1人に加わっていた現校長先生はクビ。お粗末だと同校だけを笑っていられない。このようないい加減な英検そのものの信頼性が大きく損なわれることになる。
一方、近頃流行の漢検((日本漢字能力検定)協会の方も怪しい。業務委託先で、同財団法人の理事長の長男が代表を務める情報処理会社がレーシングチームのスポンサーになっていた。その会社に漢検協会から委託業務費として3年間で31億円支払っていたという。漢検の収益がレースに投入された可能性がある。さらに、「漢字資料館」と称して市内に豪邸を購入。公益事業では認められない多額の利益を得ていたとは開いた口がふさがらない。
が、漢検協会はネットで謝罪しながら、今年も検定試験を実施する。
年の暮れの清水寺管主による“今年の一字”も漢検協会の募集によるものだが、“偽”限りなくに近いグレーな協会には今年からお引取り願ったらどうだろう。
因みに、3年前の漢検準2級問題にこんな一問がみられた。

次のカギ括弧内のひらがなを漢字に直し、四字熟語を完成せよ。ひらがなは一度だけ使うこと。
「い き こ じょ そく ぞく ぶ ぼ ぼう」
 
1. 良風美( )  2. 鼓( )激励  3. 安寧秩( )
4. 眺( )絶佳  5. ( )大妄想  6. 縦横無( )
7. 当意( )妙 8. 百( )夜行 9. 独立独( )
10. 無( )自然

1.の良風美(俗)どころか、8.の百(鬼)夜行の検定試験だ。

英検・漢検の関係者の皆さん、まず、常識力検定試験を受けることをお勧めしたい。