Get to the top(頂点を目指せ) / We are down but not out(ノック・ダウンしてもノック・アウトされない)

連日どこかで大学の卒業式が催されている。学長・総長の告示も傾聴に値する、あるいは歴史に残るような内容を耳にするのは稀有である。でも、98年度の東大卒業式での蓮実重彦総長(当時)の45分に及ぶ告示は話題になった。
その告示は『あなた方の知性は、まさに他人とともに考え、他人とともに行動することで初めてその質を高めることになるのですが・・・・。・・・誰もが気心の知れた仲間とはおよそ異質の他人の存在を周囲に必要としています。それは国籍・世代・性別を異にする人たちの存在です。・・あなた方の一人ひとりが、そうした他人と遭遇する機会に恵まれるように!』と蓮実氏は告示を結んでいる。
とかく難解すぎると批判もあった告示だったが、ボクは今なお感銘を覚えている。

同じ東大で今日卒業式が行われた。小宮山宏総長は告示で『東大で身につけた本質をとらえる知と他者を感じる力、先頭に立つ勇気を、社会のなかで磨き上げ、それぞれの活動の場を通して、現代社会が抱える様々な課題を解決するために貢献してください』と訴えている。大きなテーマで難題だが心に刻むべき指標と云うべき餞の言葉だろう。
“本質をとらえる知と他者を感じる力”とはHearts and Mindsを意味する。“先頭に立つ”とはbe at the head of----かそれとも単純にGet to the topか・・?
ボクはしばしばGet to the topと高校生を鼓舞してきた。
Samurai Japan≫がWBCでGet to the topを達成し、スポーツ・バーやスーパーの大型スクリーンの前で、あるいは街中で今日午後多くの日本人が沸きに沸いた。米国は余り話題ならない。それそもそのはず、準決勝で敗退と云う屈辱を味わったからだ。本音は“反省しきり”というところだろう。Samurai Spiritとはなんぞや。Get to the topに至る道程にはWe are down but not outの不屈の魂があったはずだ。