“Eight is enough”(8年間でもう充分)-Al Goreの名調子「現政権のリサイクルだって?ご冗談を!」

民主党全国大会の最終日、Denver、Invesco Fieldフットボール競技場でのSen Barack Obamaの大統領候補指名受諾演説に76000人が熱狂した。未曾有のフィーバーである。
44分のスピーチーの中身にObama候補の誠実さと新鮮さを感じる。具体的政策を打ち出すなかで、最大のキーワードとしてAmerica's promise(アメリカの約束)を繰り返した。そして、大統領選の11月4日には共和党政権に終止符を打つべく、会場は“Eight is enough”(8年間でもう充分)の大合唱で揺れた。
Obama氏への支持演説のなかで、最もインパクトがあったのは『不都合な真実』のAl Goreの15分弱のスピーチである。Goreは8年前の大統領選で、あのフロリダ州での疑惑の投票集計結果によってGeorge Bushに微票差で敗れた。必ずしも演説の上手くないGore氏の今回のスピーチは迫力満点で見事というほかない。
得意の環境問題を随所に織り込み共和党政権とJohn McCainを痛烈に叩いた。
“The same policies, those policies, all over again? Hey, I believe in recycling, but that's ridiculous”
(同じ政策だって、あの政策をまた繰り返すのかね? 私は(環境問題では)リサイクルの価値を信じているけれど、現政権のリサイクル・笑わせるんじゃない)
Sen Obamaの今回のスピーチがJFKMartin Luther King Jr.のスピーチに劣らぬ歴史に残る演説となるかどうか。それは11月4日の結果を見なければならないだろう。
民主党支持者の中にもObama氏に反旗を翻し、McCain支持に変わる有権者もいる。McCainは副大統領候補にアラスカ州知事Sarah Palin女史を指名した。意表をつく44才の女性候補を登場させ、Obama陣営の出鼻をくじき、全米の注目をMcCain陣営に向けさせようとの狙いだ。Hillary Clintonが民主党副大統領候補に指名されなかったことを皮肉るかのようにPalin女史は次のように述べた。
“The women of America are not finished yet. We can shatter that glass ceiling”(米国女性の出番はまだ終わっていない。ガラスの天井は壊すことができる)
Sen John McCainは、アラスカ州兵の司令官であり、一兵士の母親である米政界ではほとんど無名のPalin女史を副大統領候補に指名した。保守派は歓迎するだろうが、McCain氏にとってrisky gamble(危険な賭け)にならないか。