夏に思う、サマータイム導入の是非

地球温暖化対策の一環として我が国政府もサマータイムの法制化と導入を目指している。米国などではsummer timeをdaylight saving time(DST)と呼んでいる。太陽の出ている時間を有効に利用しようという意味だ。明るいうちに仕事をして、夜は早く寝るようになるから、省エネにもつながるという訳だ。緯度が高く夏の日照時間が長い欧米やオセアニアなどでは一般化しているが、日本では制度的導入はそう容易ではない。
日本でも、ボクなどが小学生のころ、週五日制ではないが、一時期実施されたことがある。米国GHQの統治下に置かれていた1948年から講和条約締結の51年までの四年間である。その後廃止され現在に至っている。
日本列島は欧米と異なり、南北に長く、北海道と沖縄では日照時間に大きな差がある。それ以上に日本人の生活スタイルと企業経営者やサラリーマンのスタンスが欧米と異質だ。
例えば“北海道サマータイム”。日中時間が日本で1番長いため、時計を早め、1時間早く出勤し、長い夏時間を楽しもうとする人たちもいるが、時計の時間はいじらず、出退勤時間を早める時差出勤のスタイルを採っている。サマータイムとは異質のものだ。おまけに、早く帰宅して家族団らんの時間を増やし、早寝をしてるかと言えばそうではない。「早く出勤して、勤務時間は長く、睡眠時間も短くなった」と不平・不満たらたらだ。こうした事情もあり、サマータイムの法制化も先行き不透明だ。
26年前の八月、米中西部ミネソタ州ミネアポリスに滞在していた頃を思い出す。南部メンフィスへ小旅行にでかけていたボクは午後5時ごろ、ミネアポリス空港に降り立った。出迎えてくれた空港近くのノースウェスト本社に勤務していた友人が何を思ったか車でボクを連れ立ってそのまま森林地帯へ向った。そこで近所の人や子どもたちと風船に水を入れてドッジボール遊び。夜八時、外はまだまだ昼間の明るさだ。ドッジボールのあと、今度はメトロドームMLB観戦。試合終了後、中東レストランで一杯やって帰宅と相成った。真夏のアメリカ中西部は華氏95度を超える異常な蒸し暑さだ。家にはエアコンはない。地下のウォーター・ベッドで寝た。
1980年代米国一般市民のdaylight saving time(サマータイム)時
の典型的な一風景だ。