スポーツ界のスター選手が名伯楽に・・

北京五輪の水泳で注目の北島が驚異的でパーフェクトな結果を出した。平井伯昌コーチの存在も見逃せない。名伯楽というべきだろう。
往時の名選手イコール、名コーチ、名監督という例はそう多くない。
北京五輪にエントリーする数ある種目のなかでも、影の薄い、ほとんど注目されない種目も少なくない。その中の1つが新体操だ。
新体操はロスアンゼルス五輪で始めて正式種目に採用された。日本人として八位に入賞した山崎浩子が一躍脚光を浴びた。
が、その後彼女の変転は凄い。社会から指弾される組織に入会し、その後脱会。今度はTVタレントに転進?。そうするうちに、新体操協会の指導者として返り咲き、いま強化部長としてその存在感を不動のものとしている。素人目にも的確な指導法やコメントが伝わってくる。名選手、名伯楽の数少ない例だろう。
丸谷才一氏が『蝶々は誰からの手紙』のなかで、≪せつない話≫として山崎浩子に触れている。
『青春のさなかに職業を捨て、行路を転じなければならないのはス 
 ポーツ選手の宿命である。
 引退する娘たち、若者たち。
 彼らの生き方を、著者は抑制のきいた語り口ですっきりと物語
 る。せつなさはいよいよ心にしみる。山崎浩子はかつての新体操
 の名選手で、よい文章を書く。天は二つの才能を彼女に贈った』
丸谷さん推薦する山崎浩子の文章を読みたい。

山崎浩子 失敗という名のレッスン

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引退―終わらない夢

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