五輪アラカルト−屈辱・悪夢と呼ぶなかれ!競技には失敗はつきもの

昨日は米国にとって屈辱と悪夢の日だった。男女400m予選でなんと、男女ともにバトンミスがあり決勝進出がならなかった。ソフトボールで五輪連続金メダルの世界チャンピオンチームが決勝戦で日本に敗れた。米国チームにとって思わぬ敗退だろう。呆然自失、涙にむせぶ選手もいた。表彰式でも銅メダルの豪チームと好対照に笑顔と元気がない。まさに屈辱的だったに違いない。
五輪種目には余り目立たない地味な競技もある。近代五種だ。競技環境と競技人口が不十分なうえ、いつも欧州勢の独壇場に終わっているため、北京五輪で取りやめが取り沙汰されたが、辛うじて生き残った種目だ。この近代五種女子に米国の39歳のシェイラ・タオミナ選手が出場する。彼女はアトランタ五輪競泳800で金メダル、シドニーアテネではトライアスロンに出場した。その後引退のつもりだったタオミナさんは一念発起、北京で近代五種に出場することになった。それぞれ異なった三種目出場は女子選手史上初めてである。それでなくとも、近代五種は射撃、フェンシング、水泳、馬術、ランニングを1人でこなさなければならない。まさに超人・哲人だ。
彼女が語っている。『失敗がつきものの競技です。結果より過程に集中したい』
米国も女子バレーでこれまで歯の立たなかったキューバチームを完封した。悪夢ばかりではない。
中国北京五輪経済研究所は記者会見のなかで「五輪の準備を始めた2001年から2007年までの経済成長率は12.1%に上昇した。オリンピックは我が国の経済とインフラの成長に大きく貢献した」と五輪の成功を自賛する。
他方、同国史上空前のゴールドメダル・ラッシュに勢いづく次期五輪開催の英国だが、「北京五輪のように莫大な資金を積み込む予定はない。我が国の経済事情に照らし予算規制のなかで準備を進める」とトーンはクールである。