“究極のプロフェショナル”(the ultimate professional)とは?

professional(プロフェショナル)とはひと言でいえば「その道の専門家」。“プロ意識をもつ”意味がそのなかに含まれているが、プロ意識が自らの職業人としての意識にすぎないものであるとすれば、それだけでprofessionalとは称し難い。
例えば、1980年代後期から90年代にかけて、向かうところ敵無しだった米国プロ・プロボクサー、マイク・タイソンがプロフェショナルについて次のように述べている。史上最年少の20歳で世界チャンピオンになった彼の現役時代の言葉だ。
“My objective is to be the ultimate professional”(「自分の目標は究極のプロフェショナルになることだ」)
先月17日、日米通算201勝を上げMLBから引退表明した野茂投手がKyodo Newsのインタビューに答えた。
“I want to continue, but I don't think I can deliver a professional-level performance anymore. I believe many clubs think the same way.”
(「まだまだやりたい気持ちだが、プロ・レベルのプレーをお見せすることができないと思う。多くの球団もそのように考えているに違いない」)
野茂選手の目指すprofessional-level performanceはどの程度のものであったか。あの反骨精神を胸に秘めた謙虚で寡黙な表情のなかに垣間見える、 不屈の闘争心と「挑戦心」だったはずだ。
ノーヒットノーランをやり遂げた当時のLA Dodgersのラソーダ監督は語る。
“He accomplished something that very few guys have ever done”(「野茂は野球界で類まれなる快挙をやってのけた」)
ラソーダ監督の言う、その世界で余人が容易に成しえない類まれなる快挙をやってのけることも、“究極のプロフェショナル”たるべき要件の1つだろう。