五輪停戦(cease fire)の願いをよそに轟く砲火

北京五輪が開幕した。我が国の英字紙の一面ヘッドラインはBeijing Olympics Kick Off'単純明快だ。
国連事務総長北京五輪期間中、世界各地での戦闘を中断するよう「五輪停戦」を呼びか、「博愛の精神が金メダルを獲得できるよう、一時的にせよ戦闘中の者たちに武器を置かせよう」と訴えた。
米英主要紙の今朝のトップ記事に注目した。The New York Times、英紙The Timesもトップ記事はBeijing Olympics 2008ではない。
五輪開会式に出席中のロシアのプーチン首相が「ロシアとグルジアが、グルジアからの分離独立とロシアへの編入を求める南オセチア自治区で戦闘状態に入った」と宣言。2つのTimes紙のON Lineにみる、国際情勢の一面トップはこの戦闘勃発を報じている。
The NY Timesは北京五輪の開幕を“Games in Beijing Opens With a Lavish Ceremony”と伝える。204国に及ぶ各国選手団の入場までの一時間以上のセレモニー。中国の威信をかけた人力総動員の驚異的イベントだった。まさにlavish(贅沢三昧)。驚嘆に値するものの、これほどの贅を尽くした五輪の裏で、貧困・飢餓にあえぐ同国人民が少なくないはずだ。
北京五輪開幕の光と影。欧米メディアは平和の祭典より、戦争の世界に目を注ぐ