歌舞伎--吉例顔見世と初春と“さよなら”と・・

四條川原町。大橋を渡り真っ直ぐ行くと八坂神社。その手前右に南座がでんと構えている。若い頃、新春の鴨川べりを家族と歩いて八坂神社に詣でた。
職人さんが、南座の正面のまねき看板を取り外す光景がいまも懐かしく思い出される。


南座の吉例顔見世興行も一昨日26日で幕を閉じた。南座の歴史は古い。400年近く前に京都所司代によって官許され現在まで続いている最古の劇場だ。
現在の顔見世興行が始まったのが1913年、戦時中も欠かさず続けられていたという。江戸時代には毎年11月興行のことを顔見世と呼んでいたのに由来する。今年は初日は11月末日だった。坂田藤十郎坂東玉三郎などまさに東西合同大歌舞伎である。

冬、年末の風物詩が南座の興行だとすれば、東はどうだろう。
国立劇場の興行は初春歌舞伎公演「通し狂言 旭輝黄金鯱」。顔ぶれは尾上菊五郎菊之助松緑、そして中村時蔵など。切符が手に入ったので観に行く予定だ。

さて本家本元の歌舞伎座はというと、いよいよ建て替え。さよならだ。文字通り≪歌舞伎座さよなら公演 壽初春大歌舞伎≫と銘打っている。
『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』も心なしか侘しそうだ。