対アフガン戦略--President Obamaの苦渋の選択

Barack Obamaがアフガン新戦略、駐留米軍3万人の増派に踏み切った。
NYのウェストポイント陸軍士官学校での演説の冒頭で彼は強調した---

“To address these important issues, it's important to recall why America and our allies were compelled to fight a war in Afghanistan in the first place. We did not ask for this fight. On September 11, 2001, 19 men hijacked four airplanes and used them to murder nearly 3,000 people. They struck at our military and economic nerve centers. They took the lives of innocent men, women, and children without regard to their faith or race or station. Were it not for the heroic actions of passengers onboard one of those flights, they could have also struck at one of the great symbols of our democracy in Washington, and killed many more”(かかる重要な問題につき明らかにするうえで、米国と同盟国が真っ先にアフガンを攻撃せざるを得なかったワケを想起することが大切だ。われわれの側から先制攻撃をしかけたわけではない。2001年9月11日、旅客機4機、計19人のクルーがハイジャックされ、ほぼ3000人に及ぶ人々の殺戮に利用された。我が国の国防と経済の心臓部が破壊された。宗教、人種、身分・地位の別なく、何ら罪もない男女や子供たちが命を奪われた。仮に、さらに別な一機に乗り合わせた乗客たちの英雄的行動がなかったとしたならば、首都ワシントンの民主主義のシンボルが攻撃され、さらに多くの犠牲者が出ただろう」
そして“As we know, these men belonged to al Qaeda”(知ってのとおり、相手はアルカイダに属するメンバーだ)と続ける。


今日、日本画の巨匠、平山郁夫画伯が亡くなられた。79才。まだ若く、惜しまれる。平山画伯は終始、平和への祈りや文化遺産への憧れを込めた画境を開いていった。あのような広い視野と類稀なる行動力をもった巨匠はもう現れないのではないか。その平山画伯はタリバンによるアフガンのバーミヤン仏教遺跡の爆破に怒りを発していた。宗教に凝り固まった戦争は止めるべきだと。

Barack Obamaの2011年からのアフガンからの駐留軍の撤退、つまりExit Plan(出口戦略)をも含めた今回の決定声明をボクは理解したい。“第二のベトナム戦争となり“泥沼化”するのではないか”アフガンでの米軍犠牲者も増え、国内には厭戦気分が高まりつつあるという。Obama氏はVietnam Warとの決定的違い、大義なきWar in Iraqとの相違を明らかにし国民に理解を求めるだろう。が、莫大な戦費の出費が政府を圧迫する。肝心のアフガンの政権や民生は頼りない。こうした点、間違えば今度のアフガン戦略は“オバマの戦争”と集中砲火を受け、政権運営を左右しかねない。
リスクを伴う賭けに出たBarack Obama氏は賢明なリーダーだと信じたい。そしていま、“Be brave”と呼びかけたい