教育

正座のシビレで話もはずまない・・・

ボクは正座が大の苦手、法事の日など時と場もわきまえず、最初から足を崩して胡坐をかかせてもらう。家に来客があり、和室の居間に通すと、相手が男女を問わず、「足を崩して楽にしてください」とまず勧める。なんのことはない、自分が正座するのが嫌だから…

Ojuken世界でヒートアップするexam hell--二年間で2,000万円以上投資

少子化が進むのに、未就学児のなかでexam hell(受験地獄)が過熱化している。この日本の異様現象に米紙Christian Science Monitorが注目。 2歳-6歳の幼児を超名門小学校に入学させようと狂奔するいわゆるOjukenファミリー。入試倍率は25倍、受験勉強に2年間か…

高校は中学の延長線ではない--集団の効力が個人の力を引き出す

特に私学がそうだが、中高一貫校が増えてはいるものの、中学と高校は明らかに違う。中学生は10代前半、高校生活は10代後半だ。 普段の学習環境の中心舞台はクラスだが、その学級集団の在り様が個々の生徒の学習活動を大きく左右する。 「たとえば、授業は、…

挨拶で使う口上は難しい

丸谷才一氏じゃないが“挨拶はたいへんだ”。 父露伴に暮らしかたを徹底的に躾けられた幸田文さんも挨拶は苦手だったと述懐している。 「挨拶は苦手である。ちゃんとうまく言えたなどという記憶は一つもない。そのかわりといってはへんだが、まずい挨拶をして…

目に余る家庭での躾の差

通勤電車内で新聞を読む大人がますます減りつつある。子供・若者の活字離れなどと偉そうなことをノタマウ資格はない。朝の地下鉄は居眠り族が大方。それ以外は携帯メールのラッシュだ。我が国の地下鉄はNYのsubwayやLondonのtubeなどと比較にならない安全地…

格好だけつけた偽敬語は不愉快-磨くべきは“心の言葉”

「敬意を示したいと思ったら、敬意を持つことのほうが大切で、格好だけをつけたような形骸化した敬語が溢れかえっている」 金田一京助さんのお孫さんの秀穂さんは「僕は祖父の京助からは、言葉とその裏にある真心や誠実さが大切だということを学んだ気がして…

求められる未来の大人(若者)の“new era of responsibility”

大正時代の最後の年に創立された80数年の歴史を有する学園・高等学校の入学式で新入生を前に訴える。 「今から70年、80年前の学園創立当時の君たちと同世代の若者たちはどうだったでしょうか。10代後半の当時の若者たちは自分の意思で自分の未来を、進むべき…

「未来からやってきた留学生」に期待したい

カジノ経済のツケは重く、世界同時不況、戦後未曾有の経済・金融危機からいつ抜け出せるのか短観も長観もない。専門家筋も見通せないのが本音だろう。 そうした中で入学式のシーズン到来だ。 高校の入学式、新入生に向かってボクは次のことを投げかけたい。 …

Barackを凌ぐMichelleの言葉--“Never cut school”(学校を怠けてはダメ)

President Obamaの初外交に同行したMrs ObamaのMichelleさんの飾らぬ社交と言葉が際立つ。 Queen Elizabethに面会したMichelleさん、外交儀礼上Untouchableの女王の背中に手を回して親愛の情を表現。英国メディアはビックリし喧々諤々とか。 が、英紙Indepen…

懐かしい“お使い”・・「何をお包みいたしましょう」

昼食のあと、桜餅を一個食べた。北海道十勝産・小豆・国産もち米使用のつぷあん。消費期限が2日の関西風だが、結構おいしいモノだ。 ボク自身もそうだったが、もう嫁いでいった娘たちにも、子供のころよく駄菓子屋へお使いに行かせたことがある。いまは孫娘…

Get to the top(頂点を目指せ) / We are down but not out(ノック・ダウンしてもノック・アウトされない)

連日どこかで大学の卒業式が催されている。学長・総長の告示も傾聴に値する、あるいは歴史に残るような内容を耳にするのは稀有である。でも、98年度の東大卒業式での蓮実重彦総長(当時)の45分に及ぶ告示は話題になった。 その告示は『あなた方の知性は、まさ…

“命を惜しめ・・”-語り継ぎたい現代史に残る言葉

NHKの長寿番組「その時歴史が動いた」が幕を下ろした。特に現代史やドキュメンタリーやニュース番組を好んでみるボクなどにとってはさらに続けてほしい番組だった。 まさにこの番組は「今日のニュースは明日の歴史」という言葉を思い出させてくれた。4月以降…

学校を真の「学びの場」にするのは容易ではない-教師に求められる謙抑の態度

長年学校現場で働き、リタイアーして早や1年を過ぎようとしている。その間、「子供たちの自主性を伸ばし、自分らしさを発揮させる教育」の必要性を行政当局やメディアや教育評論家から嫌というほど聞かされた。 が、学校を去って解ったことは『現場では何が…

Sense of Wonderと学ぶことへの欲求を育てているか?-教師は自問すべき

「80年代から消費文化が肥大してゆくなかで、学力競争に勝てば何かが得られると報酬を示して、学習すること自体に価値があると言ってこなかったのではないか」 いま注目の思想家U氏は特に初等教育や中等教育に携わってきた教師たちにこのように問いかけてい…

学長選考-“意向投票”最下位得票者が学長に!-国立T大学の怪

学長選で教職員による“意向投票”なる選挙を実施している国立大学法人がある。北陸のT大だが、奇怪な出来事で大揺れだ。 学長選立候補者3名中、教職員の投票で最下位の現職学長が何故か再任されたという。 この“意向投票”というものだが、同大学長選考規則で…

中学と高校生活との違いは何かを考える

年々、中高一貫校が増え、ブランドの(国公私立)中学入試に親子が血眼になっている。そうしたこんにち、中学と高校の違いは何かなどという問いかけは愚問かもしれないが、明日から都内私立高校の一般入試が解禁。推薦入試は1月下旬に終わり、すでに進学する高…

離れて生きて

高等学校に在職中、卒業生の記念文集に寄せた巻頭言の原稿が古いファイル帳から出てきた。 「1月半ばの土曜日の昼下がり、現在米国に留学中のの卒業生が前触れなくボクの部屋に入ってきた。昨春卒業後五月に渡米し、コロラド州デンバーの私立大学付設の英語…

あらためて考える“言葉のわきまえ”

次期国務長官に指名されたHillary Clinton女史が外交問題のキーワードとして使った言葉は“スマート・パワー”。同氏にお似合いのキーワードだと思う。 ちょうど二年前、高校生に“言葉のわきまえ”と題して、定期刊行紙のなかで次のように呼びかけたことがある…

「・・等」とは何ぞや--Galの「・・とか」と同じ

米大統領は「一般教書演説」のようなロング・スピーチにおいても通例ほとんど原稿に目を落とさない。President-elect Barack Obamaがその典型だろう。 一方、我が国首相の「施政方針演説」はどうか。原稿の棒読み、草稿に目を落としっぱなしだ。これでは迫力…

教わったらまず実行

年頭に論語「公冶長第五」を読む。 子路有聞。未之能行。唯恐有聞。 (子路は教えられて、まだそれを実行できない間は、更に新しいことを教えられはせぬかと、びくびくしていた) 幸田文が父露伴に「ほんとうに威厳をもって言われました。・・手をもってぶんな…

「末は博士か大臣か」は今じゃおとぎ話

明治末期の良き時代の菊池寛、綾部健太郎の生き方を描いた映画『末は博士か大臣か』。45年前の大映映画だ。川口松太郎が脚色し、監督は島耕作。芥川龍之介も顔を出す。 男が目ざす出世の頂点が博士か大臣だった時代だ。今はどうだろう。大臣は猫の目のように…

思考力の自立と熱意が欠ける若者が多くないか--求められる自調自考の奨励

米国政界の主流からは無視され異端児扱いされてはいるが、一貫して米国の政策に厳しい批判の目を向けているノーム・チョムスキーの著書には目が離せない。少し古いが『すばらしきアメリカ帝国』(原題:Imperial Ambitions)を読んでいる。皮肉とユーモアに満ち…

1年で辞める新採教員が増えているとか-「条件付の採用」の意味が不明

公立校では採用された新任教員は一年間「条件付き採用期間」として扱われ、二年目から正式採用となる。2007年度、一年後に不採用となった教員は300人以上に上るという。 理由はさまざまだが、管理職の命令により校務に酷使される。ハードな部活の顧問までい…

深刻化するschool violence(校内暴力)-背景と深層は?

小中高生の校内暴力件数が激増し過去最多を記録。文科省の調査結果は極めて深刻である。小中高とも増え、小中生徒の件数が前年度比、1.2倍-1.4倍に上っている。 教育評論家は「競争や経済悪化が影響」「数値目標を掲げた成果主義、習熟度別授業による差別選…

高校の道徳の授業にダンスを導入する仏教の国タイ-狙いは

今年の初春、タイから来日した10数名の高校生を歓迎したことがある。対面時、握手ではなく誰もが自然に合掌する。仏教徒の国の高校生はこんなにも謹厳なのかと感じ入ったものだ。 が、現実は違うようだ。暴力に走る若者が少なくないらしい。国政が不安定で若…

噺のまくら

今夕、某私立学校の職員会議に特別出演した。 ボクの出番は六時。それまでの前座はいろんな報告の連続で、くたびれ果てての一席である。 小三治じゃないが「『噺もまくらもしたくない』の心境です」と、一言ことわって、まずイントロから始めた。 “まくら”っ…

無位無官こそ本物の生き方が問われる

教職から身を引いて半年になる。教師は(かつて)“聖職”などと呼ばれたが、実態は裏腹だ。ボクに言わせれば一面、空疎な職業だ。評論家S氏の言葉を借りれば“空職”だ。 むかし学級担任になった時、クラス生徒への第一声は「ボクは休まない。君たちも学校は休む…

格付けとは・・?

英The Times紙が2008年度、世界の大学ランキング・トップ200を発表した。 第一位はハーバード、二位エール、三位ケンブッリッジ。20位内を米英17大学が独占している。日本勢は東大の19位が最高位で、私大では早稲田の180位がトップだ。 政府の教育再生会議は…

Nobel Prize受賞の科学者は危機を訴える-「(日本の教育は)考えない子どもを一所懸命製造している」

株価の下落は世界に広がり止まらないのか? The Tokyo marketも9.4%下落。1987年(バブル崩壊時)以来最悪だと昨日のNY Timesは速報。 円高と株価の暴落の引き金となったのは、先の『金融救済法案』いわゆるbailout packageだ。米財務長官はこの「金融機関への…

教え子たちの遥かな思いを感じるべし

教員採用試験をめぐる前代未聞の汚職事件で県教委NO2の審議官が逮捕された。この審議官はかつて中学のベテラン教員でもあった。国語を専門とし学級担任の経験もある。その教え子の一人にこの事件の県教委担当のM紙O記者がいる。記者の目に映っていたのは剛健…