高校の道徳の授業にダンスを導入する仏教の国タイ-狙いは

今年の初春、タイから来日した10数名の高校生を歓迎したことがある。対面時、握手ではなく誰もが自然に合掌する。仏教徒の国の高校生はこんなにも謹厳なのかと感じ入ったものだ。
が、現実は違うようだ。暴力に走る若者が少なくないらしい。国政が不安定で若者の不満が爆発するのか、あるいは同国の教育システムに問題があるのか。
そのタイの高校で、道徳の授業にダンスが採り入れられている。

まだ実験段階だが、週一時間、合掌・瞑想のあと生徒はダンスを練習し歌を歌う。狙いは、生徒に集団訓練と忍耐力を身につけさせるところにあり、校内暴力の防止につながるという。
生徒の間でもこのプログラムは好評だ。忍耐力や規律だけではなく、活気と元気を吹き込み、生徒間の相互理解にも大いに役立つようだ。
「こうした授業がなければ、名前も顔も知らない嫌な相手を見ると、ついつい喧嘩、殴り合いになりかねない」と男子生徒。

どんなダンスかは知らないが、いずれにせよ、瞑想よりも自己表現が出来、心身のリフレッシュには効果があるに違いない。