学長選考-“意向投票”最下位得票者が学長に!-国立T大学の怪

学長選で教職員による“意向投票”なる選挙を実施している国立大学法人がある。北陸のT大だが、奇怪な出来事で大揺れだ。

学長選立候補者3名中、教職員の投票で最下位の現職学長が何故か再任されたという。
この“意向投票”というものだが、同大学長選考規則では『選考の参考にする』とあるから堪ったものではない。選考委員会議の構成メンバーの半数がなんと現学長の任命による方たちだから、選考結果は決まったようなもの。意向投票は無視され、最下位の現職者が再任となったわけだ。同大学八学部のうち六学部教授会が抗議。「教職員の衆知を結集した円滑な大学運営を実現するための重大な障害になる」「健全な組織運営は期待できず、教職員の活力も失われかねない」との声明文。当然だ。T大学に限られた珍現象など笑っていられない。国立法人法がきな臭い。現職学長に有利な規定があるらしい。
とはいえ、大学の自治というものがあるはすだ。さすが旧帝大は違う。教職員投票の結果に『基づいて』とか『基礎に』、総長予定者を決定すると定めている。いわゆる“基づき”規定、教職員の多くの意志・意向がそのまま学長選考に反映される。むしろ学長選考の仕方は私学の方が国立大より進んでいるようだ。