中学と高校生活との違いは何かを考える

年々、中高一貫校が増え、ブランドの(国公私立)中学入試に親子が血眼になっている。そうしたこんにち、中学と高校の違いは何かなどという問いかけは愚問かもしれないが、明日から都内私立高校の一般入試が解禁。推薦入試は1月下旬に終わり、すでに進学する高校が決まっている中学生がかなりいるのが実態だ。
そこで4月から待ち構える高校生活とはどんなものか、考察してみたい。高校では学習量が増えるのは確かだが、成績第一主義や詰め込みの受験勉強を意味するものではないことをまず銘記すべきだろう。
ある高校生は言う。「高校では中学とは比較にならない自由が与えられているが、それは僕たちが自分で何かをしなければならない自由なのだ」
「僕がいままで生きてきたなかで、(高校入学後の)この1年間は最も重要な1年間だったような気がする。特別悲しい目にあったわけでもなく、特別嬉しいことがあったわけでもない。しかし、とにかくいままでのうちでは、この1年間は最も重要だったような気がする」
「では、どんな点が過去と違ったのか、なぜこの1年間が重要なのか。高校に入学する前、僕ははっきりいって、“高校は勉強だけしていればいい”と思っていた。しかし、実際入学してみると全く違っていた。勉強以外のことで、やらなければならないことが余りにも多いのである。それでもやはり、勉強は一日の生活の中で大きな役割を占めている。家にいる間は、食事をしているか、寝ているか、さもなければ勉強している。しかし、勉強の様子が中学時代と大きく変わったというほどではない。“勉強以外のこと”の1つは、クラブ活動である。しかし、これも中学と余り変化していない。活動内容が少し変わり、活動日が多くなった程度である。この1年間を、過去と最も変えた点は、勉強でも、クラブ活動でもない。それはもう1つの時間なのだ」(岩波ジュニア新書『高校生になったら』)

入学する生徒を大きく変えていく“もう1つ時間”というものが、高校生活の入り口のところに待っている。
その“もう1つの時間”の使い方が高校生活とその後の若い時代を左右するHeart Woodsと言えよう。