求められる未来の大人(若者)の“new era of responsibility”

大正時代の最後の年に創立された80数年の歴史を有する学園・高等学校の入学式で新入生を前に訴える。
「今から70年、80年前の学園創立当時の君たちと同世代の若者たちはどうだったでしょうか。10代後半の当時の若者たちは自分の意思で自分の未来を、進むべき道を決めることができなかった。自分の将来が国や国家権力によって左右される。そのような時代でした。今はどうでしょう。自分の意思で自分の未来を切り開き、決定づけることができます。ところが、ちょうど君たちが生まれた20世紀末、世の中が余りにも豊かになり、若者の中に日本人本来の誠実さ、勤勉性が崩れ、目標を見失っていく状況が生まれました。そして、その後大きな落とし穴が待ち構えていた。豊かさに溺れ、自由をいいことに勝手気ままにマネー・ゲームに走ったツケが、いま、世界同時不況となって私達に重くのしかかっています。そうしたなかで、君たちへの期待は大きいものがあります。いま君たちに求められているのは、Barack Obamaの訴えた“new era of responsibility”「新たな責任の時代」、つまり未来に対する新しい責任です。一人ひとりが自分の責任は何かを問いかけ、その責任を自覚し、果たすべき時代に直面しています」

子供たちや若者だけではない。我々大人たちも、果たすべき責任を探り当てなければならない。そのためHearts and Mindsを枯渇させないよう踏ん張ることだろう。