2012-01-01から1年間の記事一覧

「温故創新」とは“過去を現在に組み入れる歴史”か--吉田秀和さんの明解な言葉

このところ「温故創新」なる造語?(福田元総理には申し訳ないが)が気に入りあちこちで拝借している。 音楽評論家の吉田秀和氏が他界された。98歳。天寿を全うと云うべきだろうが惜しまれる巨星だ。東大仏文卒。音楽界の領域だけでは到底括ることが出来ない…

あっぱれイブシ銀 / 退屈なthe 634-meter tower

これほど沸きに沸いた国技館は何年振りのことだろう。千秋楽の優勝決定戦は最高潮に達した。37歳8ヶ月、史上最年長力士が初賜杯を抱いた。 平幕の旭天鵬、モンゴル力士の先駆者だ。早々と引退し祖国モンゴルで国会議員になった同期の“技のデパート”と言われ…

日本が沖縄に属する

沖縄が日本に復帰して40年になる。72年、佐藤内閣による米国との沖縄返還交渉の欺瞞性に抗議してデモに参加したことを思い出す。 日本政府が掲げた返還条件は「核ぬき本土並み」だった。何度耳にしたことか! 『本土並み』とは何の意味か? (“核抜き”すら疑…

Storm chasersまで出動したJapan Tornado

Tornadoと云えば米国中西部が本場だと思っていたらトンデモナイ。GW最終日の午後、恐怖が襲った。 英BBCのThe World Weatherがトップで伝える--“A rare tornado has ripped through the Japanese city of Tsukuba causing widespread damage and destruction…

難解だが凄い『・・・・サーカス』

5年ほど前だと思うが、東西冷戦時代の東独、監視社会の実像を描いた“The Lives of Others”(原題:Das Leben der Anderen)を飯田橋ギンレイで観た。アカデミー賞外国語映画賞など多くの賞を受賞したドイツ映画だ。 邦題は『善き人のためのソナタ』。ピアノソ…

“日本語に魅せられて”--鬼怒鳴門さん

昨年3/11を境に多くの在日外国人が日本を脱出し帰国した。Donald Keen氏はこの惨禍を契機に日本永住の意思を表明、今年3月8日、日本国籍を取得した。雅号の“鬼怒鳴門”にはビックリした。まるで<怒鳴るぞ!>だが、鬼怒川と鳴門を組み合わせて作った当て字だ…

真っ平御免“最後のご奉公”

昨日の東京地裁。予想されたことだが「元秘書との共謀認めず無罪」--OZ氏に対する判決だ。強制起訴議決の有効性につき適法と判断したうえで、担当検事の見立て捜査による虚偽報告書の作成を厳しく批判した。このところ検察当局のやり過ぎやヘマなどお粗末さ…

永田町は“原子力村”?

「地震と津波の国には原子力発電所は要らない」とウェールズ生まれの日本在住作家C.W.Nicol氏。我々日本人の極く素朴な庶民感情でもある。 福島第一原発で下働きしていたMさん(26歳)。原発事故後、二本松市の温泉ホテルに避難していたところ茨城県東海村へ…

“あれから40年”---the agedに人気のpoison-tongued comedy

日本はユニクロやポケモンなどの海外進出にみれるように、世界の若者の文化センターの地位を確立してきているが、高齢化社会の急速な進行も世界ナンバーワンだ。年々増える現役を退いた60代・70代、中でもたそがれ歳のご婦人が目立つ。 “Forty years ago, wh…

この無力感は何だろう?

あの玉置宏さんではないが「1週間のご無沙汰です」。 入学式の季節だ。卒業式でもそうだったが、式辞や祝辞の中で決まったように東日本大震災の話しが出てくる。「未曾有の惨事」「被災者・被災地」が常套語。耳にタコが出来るくらいだ。 支援ボランティアの…

軽妙なジョークに品のいい“笑い”

3月も終りだ。“春に三日の晴れ無し”と云うが、余寒続きで大幅遅咲きの都心の桜も開花したようだ。4月は入学式の時節。“挨拶はたいへんだ” 数年前、ナンデモカジロウさんの名文句<祝辞は短く弔辞は長く>で切り出したら、会場の笑いを誘い、まとまり良く挨拶…

会津の新構想ー病める日本のカンフル剤

福島第一原発から95㌔の会津若松。不振にもがく地場産業、新たな国内企業の誘致も至難だ。思案の揚句、中国へ飛んだ市長さん。新興重機メーカーの支店の誘致に乗り出し、中国への工場進出が続く近年の潮流を逆手にとる手法に出た。 「海外から支援なしに、日…

悲しみを抱きしめているか?

3.11の午後、新丸ビルのレストランであの激しく長い揺れに遭遇したボクは思わずテーブルの下に頭を隠し呟いた。 「これはただゴトじゃない。大変なことになったぞ」 あの日から1年経った。以来ボクは言葉を失ったままでいる。余りにも大き過ぎて、震災の現実…

3.11からまる1年---直裁で鮮明な外紙の眼

Japan's Nuclear Energy Industry Nears Shutdown at least for now(日本の原発産業のほとんどが当分操業停止) 今日(3/9)付The NYTのGlobal Edition 、Asia Pacific版のHeadlineだ。 併せて被災地東北各地の復旧の現状をカメラで伝えている。題して“Side-by…

なにが防潮堤だ!--横死・・ 

<映像記録3.11>のナレーターは結ぶ。 “あの日を忘れてはならない。映像は語りかけています” 陸前高田市の市民会館が津波に呑まれた。市役所の前にあり、避難場所となっていた。 避難した市役所職員や市民はみんな消えていった。市役所の屋上に逃げた人たち…

Lost Decades(失われた20年)の後に来るものは・・

1992年放送の「NHKアーカイブ」が再放された。40年前、72年2月28年の『あさま山荘事件』、衝撃の捕物生中継である。視聴率90%、驚異的数字だった。 途中でニュース速報が入った。中国を電撃訪問したPresident Nixon(当時)夫妻が上海からAir Force Oneで帰…

世界の笑いモノになるJapan Business Federation

「瓦礫(がれき)の処理なくして復興は始まらない」とH環境相(The Minister for Environment)。被災地3県のがれき処理が難航を極めている。 中でも福島県は推計量208万㌧のうちわずか9万㌧(4%)に過ぎない。瓦礫にradioactive contamination(放射性物質汚染…

自問--Less is Moreの生活思想に転換できるか?

3/11以来、<失語症>に陥っている自分に気づくことしばしばだ。あの時、新丸ビルの飲食店で震度5強の大揺れに怯え、テーブルの下に隠れた。避難訓練ではない。トイレで強烈な余震に出くわし慄いた。 ビル内が一瞬パニック、digital signageの前に人が群がる…

復興庁は復旧庁?

今日(2/11)の英字紙朝刊一面のHeadlineは共通している。“The Reconstruction Agency finally made its official debut”(The JP Times)、 “Reconstruction Agency launched”(The Daily Y)-- 「復興庁が正式始動」した。現代版“建国宣言”か? PM Nodaはこの新…

Revitalizing Japan(国興し)とは何ぞや?

Y紙発行の日刊英字紙の一面に連日、REVITALIZING JAPAN--Building a disaster-resistant nation ”なる白抜きの小見出しのもと、かなり長文のコラム?が連載されている。同紙編集諸子の手になるモノか・・。<ニッポン再生--災害に強い国づくり>とでも言おう…

邦画の行方・行く末

去年も何本か良質の邦画を観に封切館やシネコンに出かけたが、客の入りの悪さは大相撲の比ではない。席が半分埋まっていればマシな方で、ほとんどが閑古鳥が啼くありさまだ。マトモな映画ファンに通用しそうな作品なのに客入りが悪い。土日でも大学生や高校…

“居直り”と“残った、残った”?

“「無責任な企業」東電2位”--先週末のA紙夕刊国際面のHeadlineだ。 スイスで開催されたダボス会議に合わせ、国際NGOがこのほど発表した「無責任な企業」のランキングでTEPCOが第2位なったという。福島原発事故をめぐり『情報の公表が遅く、ウソもあった。隠…

“受けて立つ”のか挑戦状か・・?

24日朝、首都圏は久々の雪化粧。“犬は喜び庭かけまわる”ほどではないが、さすがに冬は苦手ではないようだ。 かと思えば、隣国中国、北京の大気汚染のヒドさにビックリ。未だ黄砂の季節には早いのに・・・。 市民は国の対策の遅れに業を煮やし、自分たちでモ…

“曖昧な日本”に新生はない

3/11巨大地震と恐竜津波の爪痕は人々の眼に癒しがたい惨禍を刻んだ。quakeとtsunamiの自然災害が呑みこんだ夥しい数のsudden death(突然の死)の悲しみは尽きることなく、僕たちは言葉も無く眼を閉じ鎮魂を祈るほかない。 ボクも仲間らと福島の被災地に足を…

“現代史”を新たに書き換えるべきとき

A紙今夕刊に≪脱原発世界会議≫(Global Conference For A Nuclear Power Free World)--1/14(土)・1/15(日)パシフィコ横浜---の新聞広告。 「福島の原発事故による放射能被害が広がる中、私たちは何を学び、どこへ向かうのか---2012年1月、世界の人々と一緒…

“怠惰な現実主義”から脱却するとき

原発の寿命を「原則40年」に法制化--初めて政府が原子炉の運転期間を40年とする規正法を打ち出した。が、大いに結構と喜ぶのはまだ早い。ウラがある。例外規定を最初から設けて、老朽原発を酷使する道を残している。来年度も原発推進予算を4200億円計上、休…

Embracing Catastrophe「破局を抱きしめて」

BS1で「2012 巻頭言特集--震災後 日本と世界の眼」を視聴した。当代きっての日本研究家John Dower氏とGavan McComack氏との対談に聴き入った。 前者は“Embracing Defeat--Japan in the wake of Wold WarⅡ ”、後者は“The Emptiness of Japanese Affluence ”の…

概観--2011 PICTURES OF THE YEAR/ Newsweek

Newsweekの特集号“2011 Pictures of The Year”(2011--カメラが捉えたこの1年)が手に入った。 見開きおよそ50ピースの写真を分類--REVOLUTION(革命), FURY(猛威),CRISIS(危機), TRIUMPH(凱旋), SPECTACLE(壮観), SCANDAL(スキャンダル),MOURNING(哀悼…

平安を祈りつつ・・・

穏やかな新年の幕開けである。朝届けられた賀状には平穏な年を祈念するgreetingsが大半だ。 が、午後我が街にもにかなりの揺れが走った。震源地は鳥島沖、深度は深いがM7.0。日本列島の広域に及ぶ“震”だ。 よく考えれば、日本列島そのものが≪つり橋の上に乗…