“受けて立つ”のか挑戦状か・・?

24日朝、首都圏は久々の雪化粧。“犬は喜び庭かけまわる”ほどではないが、さすがに冬は苦手ではないようだ。




かと思えば、隣国中国、北京の大気汚染のヒドさにビックリ。未だ黄砂の季節には早いのに・・・。
市民は国の対策の遅れに業を煮やし、自分たちでモニターリング。子供が次々と鼻炎に罹り小児科は大繁盛だ。

一方海の向こうの米国はいよいよ大統領選モードに入った。
大統領の三大教書のなかでも最も重要なState of the Union Address(一般教書)が24日夜(米東部時間9:00pm)全米にTV中継。Prime Timeだ。国民の多くがスポーツ・チャンネルからすPresident's Speechに切り替え視聴率は抜群。
さて、President Obamaにとって大統領就任以来3度目の一般教書、2年目の初回との違いが際立つ。

2010年1月27日の冒頭は“Madame Speaker, Vice President Biden...”。Madame Speakerとは初の女性下院議長Nancy Pelosi女史だが、来日し広島にも足を運んだDPリベラル派の重鎮も、同年秋の下院議員選挙でGOPに歴史的大敗を喫し、議長の座をGOPの院内総務John Boehnerに明け渡す結果となった。
上院はDPが辛うじて過半数を占めたものの、下院をGOPに支配され、それを境にPresident Obamaの苦難がはじまった。

“Mr. Speaker, Mr. Vice President.....and fellow Americans”で始まった24日の一般教書。Barack Obamaは“economic fairness”(経済的公平性)を基調に国民に語りかける一方、“In Obama's speech, unspoken adversary”(1/26付 Int. Herald Tribune)--口には出さぬがライバルを意識したオバマ演説)が滲み出る。相手はMitt Romney?
“State of Union? More like State of the Campaign”とメディアに揶揄された一般教書の後を追うかのように、昨夕、Obama for Americaの選対責任者Jim Messinaからメールが届いた。

「大統領が下院議場に向かった。向こう数箇月の我々の闘いの方向性を明確にするために」
「はっきり申し上げる。今度の闘いは死闘になる。大統領を再選に導くのは我々だ。その時が到来した。大統領は下院の抵抗をはねのけ掲げた政策の実現に忙殺されるだろう。大統領選の年であろうがなかろうが、政策実現はこの2〜3ヶ月が勝負だ」
「相手のGOPに誰がなるかわからないが、はっきりしている点がある。誰が大統領候補に指名されようとも、超保守Tea Partyの呪縛から逃れなれない」
「選挙戦は我々の双肩にかかっている。やるべきことをやり抜かなければ、昨夜のスピーチがBarack Obamaの最後の一般教書になりかねない」
悲壮感さえ漂うCampaign Managerのメッセージだ。


それにしても70分間に及ぶ一般教書演説には驚嘆する。Barack Obamaは一度もthe full text(原稿)に眼を落とさない。“Osama bin Laden is not a threat to this country”'(オサマ・ビン・ラディンは我が国の脅威でなくなった)の一節にヤンヤの喝采。Applause(拍手喝采)の場面は84回を数え、党派を超えてEveryone's on their feet(全員総立ち)のシーンも。

どこかの国会の施政方針演説と代表質問は原稿の棒読みとヤジの応酬。そのうえ内容がboringと来れば、不謹慎だがチャンネルを変えたくなるなるのも仕方ない。