“居直り”と“残った、残った”?

“「無責任な企業」東電2位”--先週末のA紙夕刊国際面のHeadlineだ。

スイスで開催されたダボス会議に合わせ、国際NGOがこのほど発表した「無責任な企業」のランキングでTEPCOが第2位なったという。福島原発事故をめぐり『情報の公表が遅く、ウソもあった。隠蔽、改ざんの体質がある』とこっ酷く叩かれた。当然だ。放射能による海洋汚染がドーバー海峡まで達している。三陸沿岸巨大津波による漂流物が最近になり米西海岸に流れつくありさまだ。

『地球に害を与え、人権を侵害した』企業を選ぶ“Public Eye Award”(世間の目賞)で総数87,000票のネット投票総数のうち約24,000を集めて二位。ダボス会議に参加したノーべル経済学賞受賞のJoseph Stiglitz米コロンビア大教授はTEPCOを対し「世界中の原子力産業は補助金漬けで、企業だけが責めを負うことではないが、この“賞”で企業も政府も責任に気づいて欲しい」と語る。


そのTEPCOが電気料金の値上げを発表。大株主の東京都のI副知事が怒りを買った。止む無く企業向け値上げ幅を見直し圧縮する方針のようだが、今秋見込んでいる家庭向け値上げの方はどうするつもりだ。

TEPCOの鉄面皮、厚顔無恥には開いた口がふさがらない。「フクシマの事故に愕然とした。もう原発の電気はいらない」とベルリン郊外に住む某夫妻。欧州では電力会社を自分で選べるケースが増えている。

原子力規制庁」発足が閣議決定原発運転期間の<原則40年>とは気の遠くなる話だ。「脱原子力庁」に名称変更すべし。自由に電力会社が選べるよう、電力会社の地域独占、寡占化は止めるべきだ。TEPKOは原発を首都圏に設置せず、域外で幅を利かせ、居座っている。
79年〜80年にかけA紙福島版に連載の「原発の現場」に注目。原発をどう思うかのインタビューに大熊中の中三生が答えている--『安全だっていうけど、なんか信用できねえ。関東大震災級の地震でも大丈夫というけど、これは理論上の話だと思う。心配だよな』
10ヶ月の取材を終わった福島支局の記者は次のように結んでいる--『将来、必ず原発問題と直面する子供たちだが、今は屈託なく、素直で明るい。浜通りの春の日差しもまぶしかった』--

それから32年後、心配が現実となった。浜通りはゴースト・タウン、煉獄だ。避難地の生活に慣れ、屈託に笑う子供たちの笑顔を横目に、犯罪企業TEPCOはそれでも居直る気か!
恥知らずな珍事が相撲協会理事会で起きた。弟子の大麻事件や八百長事件で理事をも辞任していた元横綱が理事長に返り咲きとは。前代未聞、“オドロキ、桃の木、サンショの木”だ。

今は亡き春日野(栃錦)のお墨付きで10年前に若くして協会トップの座に坐ったものの知性ゼロ、記者会見のコメントもシドロモドロで何を言ってるのか解らない。大横綱一代年寄りを襲名した勲章か。これじゃ、TEPCOに変わらず伏魔殿だ。

“残った、残った”の角界がまたも剣が峰に立たされた。