Embracing Catastrophe「破局を抱きしめて」

BS1で「2012 巻頭言特集--震災後 日本と世界の眼」を視聴した。当代きっての日本研究家John Dower氏とGavan McComack氏との対談に聴き入った。


前者は“Embracing Defeat--Japan in the wake of Wold WarⅡ ”、後者は“The Emptiness of Japanese Affluence ”の著者で知られている。


テーマは『3/11 いま日本はどこにいるのか』--
「3/11は福島・東北・日本の人にとってすさまじい破局でした」とDower氏は切り出す。

「日本の今までの国家戦略の崩壊を示していると思います」とMcComack氏。Dower 氏は続ける「今はとても興味深い時です。危機の時はチャンスです。日本には可能性があります。日本が2011年に体験した危機の重大さというのは劇的な方向転換をもたらす可能性があるからです」

両氏は「破局は新しい窓を開く」「ポッカリ開かれた空間(スペース)が可能性の窓だ」という。即ち、“新しい未来に向けてのビジョンについて考えるチャンスを与えてくれた”と。
「恐ろしい悲劇から立ちあがろうとする(日本人の)姿が世界に大変な共感を与えた」と両氏は口を揃えて言う。これが日本の基本政策--原発へに依存--を底辺から変えてゆこうとする草の根の力になる。今まさにその“窓”が開いたのではないか。


『若者のなかに世界を変えることが必要だという信念とそれが可能だという信念が復活したのではないか』--
まさしく両氏は我々が求めるleading voicesだ。Go Beyond Impossibleに匹敵する提言に覚醒させられた。