なにが防潮堤だ!--横死・・ 

<映像記録3.11>のナレーターは結ぶ。
“あの日を忘れてはならない。映像は語りかけています”

陸前高田市の市民会館が津波に呑まれた。市役所の前にあり、避難場所となっていた。


避難した市役所職員や市民はみんな消えていった。市役所の屋上に逃げた人たちはなす術なく眺めるだけだった。

市民会館は墓標となった。廃墟となった1階部分に墓碑がある。「東日本大震災横死者霊位」とある。横死、津波に殺されたのだ。

押し寄せる巨大津波を前に大船渡市の初老の男性が絶叫ー「何が防波堤だ!何が防潮堤だ!止まってくれ! 止まってくれ!」ー
そして今、「やり切れなかった」と回想する。

『やばい! やばいヨ!』と津波から高台へ。宮古石巻、名取の街が消えた。



「リアリティがなかった」と極限状態にいたEさん。


ヘリから福島第一原発を眺める。
「ワァー、スゲイやられちゃってる!」

南相馬市の男性が「北と南、二つの方向から津波が押し寄せ、20mを超える巨大津波原発を襲った」と画像分析。


「救助はできないという方針だったので、見捨てながら映像を撮らなければならないという葛藤があった」−上空から津波被害の状況を撮影していた福島県消防防災隊のSさんは遣る瀬なかった。

原発から6㌔の浪江町、行方が分らなくなった両親をレンズ越しで探したKさん---「原発事故で捜索活動に入れなかったのが悔しい」


「何も考えらない状況だった。地元が災害に襲われ、これだけの被害が出るイメージがなかった」と相馬市のHさんは語る。

映像は語りかけるが、ボクには語る言葉は見つからない。