“命を守る”はいいが、腫れ物を避けるthe PM H's policy speech

President Obamaの一般教書は1時間10分に及んだ。米国民の大方は好意的に受け止めているが、“言葉にも新味がないし、実行出来るのか?”“八方美人過ぎる”とThe Washington Post紙など酷評する米主要メディアもあるほどだ。
が、贔屓目ではなく、Barack Obamaはこの1年を回顧し、政策遂行の困難性や自らの失政を率直に認めたうえで、決然とrestartを表明した。
例えば昨日届いたemailに次のような部分がある---
最難問のHealth Care Reform(医療保険改革)に関し、“I called on legislators of both parties to find a way to come together and finish the job for the American people”(両党議会関係者に求めたい。米国民のためになる仕事を成し遂げるべく、党派を超えて足並みを揃える方途を見出すことだ)
そしてObama氏は続ける---
“I have no illusions---there have been setbacks, and there will be more to come. The special interests who have shaped the status quo will keep fighting tooth and nail to preserve it”(私は甘い幻想は抱かない。挫折も経験した。行く手にさらに多くの壁が待ち構えているだろう。現状を形成してきた特権グループは、現状を守ろうと死に物狂いで立ち向かってくるだろう)

Obama's first State of the Union addressに比べ、我が国PM Haroyamaの昨日のpolicy speechをボクたちはどのように受け止めるべきだろう。Hatoyama氏は数日前ピーチ・ライターが読み上げる草稿を聞きながら、涙を流したという。“命を大切する政治”の件(くだり)だ。
当日のスピーチ原稿の文字数13,600。歴代PMの中で二番目の長さだ。最も頻繁に使われた言葉は“protect people's lives”『人の命を守る』である。為政者の基本精神として当然とは言え立派なものだ。が、理念倒れ、美辞麗句に自ら酔っていないか。

なぜ、O闇将軍の疑惑を持たれている政治資金問題に一言も触れないのか。外交をめぐる最大の懸案、米軍普天間基地移設問題についても、「・・沖縄基地検討委員会で精力的に議論し、政府として本年5月末までに具体的な移転先を決定することと致します」いつもながらの常套文句、PMとしての主体的な考えはないのか。米国との交渉は可能なのか。どうみても、臭いものにはフタ、腫れ物には触らないスピーチに終始した感は否めない。

「半世紀を経た日米同盟の重要性について一度内臓検査をしてみてはどうか」と米上院外交委委員長John Kerry氏は、The Daily Yomiuriに“A gut check for an important alliance”と題するcommentaryを寄稿している。
その中で同氏は次のように結んでいる--

“Japan is changing, and so is its neighborhood. How we jointly respond to these changes will determine whether the next 50 years of the U.S.-Japan alliance will be as successful as the last”
「日本は変化しつつある。近隣諸国も然り。我々は共同してかかる変化にいかに対応してゆくか。そのことが、今後半世紀の米日同盟を従来に劣らず成功に導くか否かを決定づけるだろう」

John Kerry氏は2004年大統領選でG.W.Bush氏に敗れた民主党候補。現在もDP重鎮の1人であり、特に外交問題に関する発言は重いものがある。