Obama can make change happen?(オバマは変革を起こし得る・・?)

The Guardianの米国通コラムニストGary Younge氏は“Obama can make change happen”(オバマは変化を起こすことができる)とコメント。
その上で、“The wars, jobs and healthcare reform are the issues on which Obama will be judged and the political period will be framed”「(アフガン)戦争と雇用問題そして医療保険制度改革オバマ評価の判断基準となり、政権の寿命を形成することになろう」と冷厳な見方をする。

Obama氏にとって好都合なのは、何でも反対の共和党がこれら課題・問題に対応する信頼するに足る工程表や、Obama氏の提案に対する実現可能な対案を持ち合わせていないことだ。
他方、Obama氏にとって頭が痛いのは、景気・経済政策が不十分、外交政策はボロが見え、医療保険制度改革は先が見えない点だ。
Obama氏の大統領としての統治能力につき判断するのは早すぎると見るのが賢明だろう。
コトはObama氏の施策だけに限られない。
Gary Younge氏は次のようにコメントを結んでいる。
“The impatience to see concrete results is not driven solely by unrealistic expectations but also by the fact that people are broke and desperate”「具体的成果を目にしたいという焦燥感は、ただ非現実的な期待感によって募るものではなく、国民が無一文になり絶望的になる現実によって拍車がかかるものである」

“Change is not a slogan-it's an urgent human need ”「変革はスローガンではなく、国民にとって喫緊のニーズである」
こうした米国民の声が日を追って高まりつつある。
President Obamaがしばしば人々に向って呼びかける“perseverance”(忍耐・堅忍不抜)の精神と米国民に顕在しつつあるimpatience。これら双方のせめぎ合いが緊迫の度合いを増さないか?


我が方の政治の動きはどうか。DPJの強引な国会運営、“予算削減”“見直し”を連発する行政刷新会議のいわゆる「事業仕分け」。“マニフェストに書いてあることをやって何が悪い”と短絡的で暴走族顔負けだ。
ついに科学研究部門に侵攻、予算の廃止や大幅削減を次々とぶち上げる始末だ。主要9大学の学長の異議申し立て、学会や研究者団体、若手研究者から厳しい批判が続出し、ノーベル賞受賞者も“反乱”の記者会見だ。
海外の有力科学誌も「予算削減は科学による収穫も奪う」と批判している。
少しでもPresident Obamaの政策立案に向けての慎重なスタンスを見習ってはどうか。“事業仕分け”の視点を見直すべきだ。