FTの信頼性と先進性

昨夜のObama's Speech in TokyoのFull Text(全文)をいち早く世界に送信したのはFT. comだろう。発信時間は現地UK時間14日午前3時16分だ。
我が方の主要紙の昨夕刊は演説の要旨の訳文しか載せなかった。
本日の邦紙は1頁全段抜きで全文訳を、英字紙は1.5頁を使ってFull Textを掲載した。
A紙の社説は“アジア回帰を歓迎する”と題して、“nuclear-free world”を訴えた4月のPrague Speech、In New Beginningを期待し、Muslim Worldの対話と和解を呼びかけた6月のCairo Speechと並ぶ重要演説だといえよう”と評価している。The Financial Timesの指摘が興味を惹く。“Mr Obama said the US did not view China as a threat”とrising Chinaは米国にとって脅威に当たらないと中国のpresenceに焦点を当てている。

The Financial Timesは1888年創刊。発行部数44万部、世界140ヶ国、読者は延べ150万人と多くないが、世界最高峰の国際経済日刊紙だ。経済関係だけに留まらず、驚くほど多岐な分野を網羅し、そのグローバルな観点からの切り口は正確で信頼性が高い。ボクも英米の数紙に目を通すが、6月にイタリアに行った際、一番に露店で、しかも毎日買ったのがThe FTだった。
周到な準備の上でのSpeech in Tokyoだろうが、スクリプトを全く見ること無く30分に及び言葉を紡ぐObama氏の能力には改めて驚嘆するばかりだが、The Financial Times欄外のEngland Political Economy教授Willem Buiter氏による次の寄稿文にはビックリし、感心させられた。

“OWEC, the organization of water-exporting countries, which doesn't even exist yet, will more powerful than OPEC in 20 years”
「まだ、仮想のものだが、20年も経てば石油輸出国機構より水輸出国機構が世界への影響力を強めるだろう」と予測している。先見性ありと言えよう。