国際離婚の果ての子ども連れ去りの悲劇--日本は後進国

国際結婚が増えれば、国際離婚も増える。この場合、国際カップルの子どもはどうのように扱うべきか。この事案に関する国際条約がある。Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction(国際的な子どもの奪取の民事面に関するハーグ条約)だ。1980年に発効した。
国際離婚に伴う親による子どもの誘拐(連れ去り)問題を解決するための条約だ。


唖然としたのは、米人と国際結婚し離婚した日本人親が、半ば不法に子どもを勝手に母国に連れ帰ってしまうケースが驚くほど多いことだ。
日本政府は現在、国境を越えた子どもの連れ去り“事件”に対しては無策、放置している。単なる里帰りのつもりで訪れた子どもが、その国から出国できなくなる。これじゃ子どものの誘拐そのもの。悲劇を招く。

何故なのか。このお粗末な状況の元凶は、日本が上記ハーグ条約に署名していないからだ。先進国のなかで未署名国は日本だけだというから情けない。
明後日President Obamaが来日する。正味1日の超短期滞在だが、Jim Web民主党上院議員が「PM Hatoyamaとの首脳会談でこのInternational Child Abductionの問題を追及し、ハーグ条約への署名を強く促すように」Obama氏に求めた。
国際協調を掲げながら我が国の後進性・閉鎖性にはあきれたものだ。
現状では、国際離婚した外国人の親は日本の法廷では極めて不利だ。現在の我が国の法律では国際離婚にともなう国境を越えた親権問題に関して公正な判断を下し得ない。

来日するBarack Obama氏を相手にPM Hatoyamaは直面する日米同盟の重要課題にいかに対処するか。加えて、かかる人道的な基本問題をめぐっても、Obama氏の来日が日本政府の未熟さを露呈する場とならないように願いたい。