メディア演出の総選挙劇−出来勝負明日開幕

米国じゃないが、我が国も二大政党への流れが一層強まりつつある。
今日のTVに映った各党首討論にしても、大半はLDPのA総裁とJDPのH党首の味気ない“論戦”に焦点を当てる。他の党首は脇役か端役だ。
米国の上院・下院の議員選挙は民主・共和の二大政党の二者択一選挙だ。企業や政治団体の最大の狙いは現状維持にある。メディアが国民に二者択一のシャワーを浴びせ、議論の深まりのないまま選挙突入となる。選挙が近づけば民主・共和のどちらを支持するとメディアは国民に問いかける。選択肢を狭めるわけだ。
さて日本の総選挙。明日の公示を前に、“国民の70%以上が必ず投票に行く”と回答したと、あたかもメディアはボクたち庶民の我が国政治への関心がいつになく高まったかのような雰囲気を国中に漂わせる。米国民の心の深いところに触れたBarack Obamaの“Change”に触発されたのか、変革と政権交代の是非が声高に叫ばれているが、果たして期待できるだろうか?
Arthur Binard氏は切り捨てる。
「“ハンバーガー”と“チーズバーガー”のどっちかを選ぶような、食傷し切った後味悪い選挙」

「日本における二大政党の流れを、『民主主義の成熟した形』などといって、耳には聞こえがいいが、米国人としての体験からいうと、『民主主義の行き詰まりの形』だ」
ボクも同感だ。所詮はムード・メーカーのメディアに煽られた出来勝負だ。投票には出かけるが関心と期待はゼロに等しい。
そうした中でThe NY TimesのGlobal Business欄のトップに“Japan's Economy Shows Signs of Improvement”のヘッドライン。


過去三ヶ月の日本の経済動向を見ると、戦後最も深刻だった経済不況も底を打ち、回復の兆候が見られると観測する。
我が国経済界や庶民感覚はどうか。そして各党首はこのところの経済・景気実態をどのように見ているか。お聞きしたいところだ。