師走の朝の散歩-本当に健康を保つのにいいの?

定年退職後、子供に忠告された「一日に45分以上歩かなきゃダメだよ」 つまり散歩せよということだ。
aged personsの早朝散歩。健康維持に良いということではやっているが、我輩は目的もなく歩くのが苦手だ。散歩が本当に健康にいいの?自問自答している。

ビアス著『悪魔の辞』は≪夜明け≫(dawn)を次のように定義する。
「思慮分別をそなえた者が床につく時刻。ある種の老人たちは、好んでその時刻に起き出して、腹をすかせたまま、冷水浴をしたり、長い散歩に出かけたりその他、ご苦労さまにも、われと我が身を苦しめる。さてその上で、おれたちが年を取っても丈夫でいられるのは、こうしたことを日々実行しているからだ、と自慢げに言う。だが、事実は、彼らが年老いてもなお矍鑠(かくしゃく)としていられるのは、そうした習慣を身につけているからではなく、むしろそうした習慣があるにもかかわらず、なのである。つまり、そうしたことを実行しているのは、ただ頑健な人びとだけに限って見られるというのは、ほかの連中も、同じことを試みはしたものの、そのためかえって命をちじめるようなことになってしまった、というだけの話にすぎない」
なんとも持って回った言い方だが、ただのアイロニーだと切り捨てるわけにはいくまい。高齢者の朝の散歩について懐疑的になるのも判る気がする。