top bureaucrat(トップ官僚)はワルなの?

浦和と中野のex-bureaucrat(元事務次官)を襲った惨事。堂々と警視庁に乗りつけ出頭し犯人と名乗りでた男の動機は謎で、あまりにも飛躍している。
が、民主党の党首らが政権党LDPの政策を批判するとき口癖のように『官僚の言いなりになっている』とこきおろす。官僚が支配する政治は悪だというわけだ。LDPには政策立案能力がロクにないということになる。このメッセージが国民に浸透していく。とりわけ、大卒でもウダツが上がらない、いわゆる“負け組み”と自認し、自己肯定できない者にとっては、官僚憎しの感情が心底に渦巻く。これを妄想とは決め付けられない。現在の日本の官僚制度の問題点を改めて考えざるを得ない事件だ。

日本の官僚は極めて優秀だというのが海外諸国のもっぱらの評価だ。キャリア組の高級官僚を目ざす若者は少なくない。退職後は天下り就職が約束されている。日本のトップ大学の法学・経済学部の学生が一級国家公務員を目ざす気持ちもわかる。エリート官僚に政界が牛耳られていないか。優秀な本物の政治家が極めて少ない。
今じゃ『末は博士か?官僚か』だ。

その点、米国のPresident-elect Barack Obama氏は官僚政治からの脱却をめざし、経済・金融危機にいち早く対応できる大物専門家を関係閣僚に指名した。言動が明快だ。