“微笑みの国”はいま・・・

ビルマ(ミャンマー)とタイは何故か“微笑みの国”と呼ばれる。、ともに敬虔な仏教徒の国だからか? ところが、国の現実は微笑どころではない。


タイでは新バンコク国際空港が閉鎖され運航停止の異常事態だ。連日、反政府団体が政権への抗議行動、ソムチャイ首相の退陣を要求して一歩も引かない構えだ。ペルーのAPECに出席の首相の入国を阻止しようと空港ターミナルに座り込み。政府は反政府団体との衝突を避けるため強制排除には消極的な態度をとり続けている。一般市民から軍の弱腰を批判する声も出ているとか。
もう一方の“微笑みの国”はその逆だ。昨年夏、無数の僧侶たちが祈る気持ちで非暴力に徹した、静かな民主化要求デモを行った。軍政は無言の抗議に耳を貸すどころか、徹底した弾圧に出た。昨秋自国を襲ったサイクロンの猛威に逃げ惑う庶民への支援を申し出た諸外国に対しても門前払いする始末。徹底した鎖国政策である。その軍政がこの1ヶ月の間に160人以上の民主活動家を拘束し、長期の禁固刑を言い渡したという。なかには禁固65年などという事実上終身刑を科された主な活動家もいるほどだ。
そのミャンマーだが、先の米大統領選ではJohn McCain氏を支持したとか。President-electの Barack Obamaが勝利演説など数々の名スピーチのなかで北朝鮮のことに触れるものの、ミャンマーの非常事態について全く触れなかったからだという。相手は、北朝に劣らず、攘夷(排外)に徹している密室のミャンマーだ。内政不干渉を求めながら、経済支援を望んでいるとすれば、いささか虫が良すぎる話しではないか。