1930年代、賭博師も気にしていたGE

Paul Newmanの追悼映画がBSで連続して再映されている。
数々のOscarに輝いたThe Sting。BSで見落としたのでDVDを買って観た。かつて何度も劇場映画で観た「明日に向かって撃て」(1969年制作)と同様、George Roy Hill監督、Robert Redfordとの共演だ。
「明日に・・」の5年後、74年の作品だ。

時代は1936年のシカゴ。ダウンタウンが描かれている。Stingは賭博師というより“イカサマ師”を意味する。
伝説のイカサマ師を演じるのがPaul Newman、Robert Redfordは弟分といったところだ。「明日に向かって・・」の場合もそうだった。二人の呼吸は絶妙だ。最後の場面、一世一代の大芝居、仕掛けが見事で、全編を通じてコメディタッチなのがいい。
字幕翻訳は60年代、TVのアテレコ(吹き替え)翻訳で活躍していたS.I氏。ボクもしばらくの間、同氏の下訳をやっていたことがあり、懐かしい。
ところで、プロのイカサマ師、Paul Newmanがポツンと「GEに悪い影響を与えてはまずい」とつぶやく科白がある。
1930年代、イカサマ師までが恐慌に喘ぐ米国経済の動向を気にしていた証拠だ。GEは1987年、あの発明王、Thomas Edisonが創立に加わった世界最大の複合企業。経営が揺らぐことはありえないと定評があるGEでさえ、最近、莫大な資本増強に走らざるを得なくなった。1930年代と似た様相にならなければいいのだが・・。