Trump-議会初演説--お行儀良いリップサービス

"Trump Shows A New Sober Tone"--White HouseからコトあるごとにFake newsだと目の敵にされているCNNがTrumpの連邦議会での初演説について「打って変わって真面目でお行儀の良い態度」だったと評価した。
その他演説直後の主要メデイアの論評は---
I think it sounded great, like a utopia. But I don't think it's that simple(まるで理想郷を語る如く、スピーチは立派だったが、コトはそう簡単に進まないだろう)
Trump's speech contradicts his actual policies(トランプの演説は実際の政策と矛盾する)
Trumpの演説中は最も眼をひいたのは演説に耳を傾ける最高裁の判事と豪華な上履きを履いた大統領秘書官の姿だ。
約1時間に及ぶスピーチ中、不正確な表現が13箇所あったという。
一夜明けたメデイアのコメント--Trump Address Draws Praise and Skepticism(賛辞と懐疑)
加えて、Sessions didn't disclose Russia Meetings(セッション司法長官が昨秋大統領選最中に駐米ロシア大使と会談していたことを隠していた)という"facts"が浮上。Breaking Newsが流れた。
SessionsはTrump陣営の選挙参謀だった。ロシアの大統領選への介入? またもや大荒れ必至だ。

Truthが死滅すればFreedomも滅びる

In an era of 'alternative facts', the simple truth is under siege--<他にもう一つの事実がある>などと云う時代には、単純な真実そのものは攻撃対象にされる--NYTは強い懸念を示している。悪鬼の如き装置が組み立てられ人々を無限地獄に引きずり込むようだ、大統領の発する言葉は国の一つの基準である。偽りを言えば、その虚偽が文化の奥深く浸透する。米国人は自問し始めている。かような人物を権力の座から追い払うことは出来ないのか?
真実と虚偽の区別に無関心になることはファシズムの前兆である。ジャーナリズムーメデイアの声はrealでありfact-basedだ。Trumpの影武者Stephen Bannonは"メデイアは黙れ!" とほざいた。
1933年2月ドイツ連邦国会議事堂が炎上した。今なお犯人は不明だが放火によるものだった。総統になって間もないHitlerは何らの根拠もなく残忍にも「共産主義者の仕業だ!」と決めつけた。

この偽りの喧伝によりNaziの専横が始まった。"At one blow all of justice in Germany was smashed "(唯の一撃でドイツの正義は葬られた)--Stefan Zwiegの箴言である。
メデイアを敵視し、法廷を愚弄、米国固有の自由・民主主義の理念を持ちわせず、暴力志向のアジテーターである大統領こそテロリズムそのものではないか?
「真実・事実こそ大切だ。連邦裁判所が逆襲に出ている。政府も透明性を高めている。今ほどジャーナリズムが重要なときはない。真実は滅びない。が、今まさにその真実が包囲・攻撃されている現実を否定するとすれば思わぬ災禍を招く」--NYTのコラムニストRoger Cohenによる。

Trumpよ、移民排除じゃ仕事にならないぜ

16日(木)全米をA Day Without Immigrants「移民のいない日」として主要都市の飲食店が休業。デモ行進が繰り広げられた。ワシントンD.Cのレストラン従業員は48%が外国生まれ、全米では約160万の不法移民が就労している。「アメリカを偉大な国にしたければ、労働者が必要なはずだ。都市労働者の多くは移民労働者だ」とDetroit Times。

この日、D.Cの高校の教室は空席が目立つ。「28人中21人が授業をボイコット、A Day Without Immigrantsのデモに参加した。学校は侘しかったが、一方、ピープル・パワーの凄さに誇りを覚えた」と女子生徒の一人。

移民の子供が眠っている。見る夢はThe UnAmerican Dreamだろう。

相性が良いゴルフ外交がクセもの

Trump-Abeの首脳会談についてNYT が問いかける--Why they are meeting : what they'll discuss(会う理由は?会談の中身は?)
共同記者会見でご両人はWe Land Alliances As 'Cornerstone of Peace' (両国の同盟は<平和の要石>だと自賛)
先般来日したJ. Mattis国防長官も"Shoulder to Shoulder"(とても緊密な協力関係)にあると述べている。
さらにTrump was content to laud the "good bond, good chemistry" he is developing with Abe (TrumpはAbeとは相性がいいと自賛し、この関係は発展するだろうと悦に入っている)
ところで商取引の内実は? Trump Wants More American Cars in Japan. Japan's Drivers Don't"(トランプは米国車を日本にもっと売り込みたいが、日本の消費者が欲しがらない)

ゴルフ外交は大丈夫? 一筋縄にいかないのが外交(Diplomacy)だ。A. Bierceは「祖国のために偽りを言う愛国者の技術」だと言う。All diplomacy is a continuation of war by other means(外交とはどれも別の手段による戦争の持久戦のようなものだ)--周恩来による外交の定義である。
JFKの至言--Let us never negotiate out of fear. But let us never fear to negotiate(畏れをもって交渉に臨もう。だが、交渉に臨むことを怖るるべからず)
次のA. Bierceの箴言をPM Abeはどのように解釈するか?
「政治情勢が最大の危機に直面するのは国際親善の時期である」
「治に居て乱を忘れず」
「<海を越えて手と手を握り合う>という奴はいま少し少なく、国家の安全を保障する根元的な不信はいま少し余計に持つことにしようではないか』

Trump"敗訴"-- それでも止まぬTweet 病

"Appeal Court Rule Against Reinstating Ban"のBreaking News--<連邦控訴裁が入国禁止の復元を拒否>--予想された通りだ。Court Rules 3-0 To Keep Trump Ban On Hold (3名の判事全員がトランプによる入国禁止令に待ったをかけた)という。Trump Loses Court Battle to Reinstate Travel Ban--法廷闘争第二幕もTrumpの完敗。
得意のTwiiterで裁判所や判事を異常なまでに批判し、司法に対する攻撃を繰り返してきたTrumpだけにこの判定に黙っていない。早速"See you in court. The security of our nation is at stake"(今度は最高裁だ。国の安全が脅かされている) とTwitterでぶち上げた。
Trumpから連邦最高裁判事に指名された保守派のNeil Gorsuch までが, Trumpの異常な司法攻撃に”Demoralizing and Disheartening"(失望し、やる気をなくした)とコメントするありさまだ。もっとも、この発言は議会でのヒアリングを前に民主党に擦り寄るポーズともとれるが........。
Presidentともあろう人物がTwitterを乱用して憲法に抵触するような司法批判・攻撃を止めない。返す刀で主要メディアの伝える自己に不都合なニュースは全てFake(偽物)だと突っぱね喧伝する。このようなTrumpismに振り回されていていいのか? いよいよPresidentとしての資質を問うべきだろう。




Trumpの蛮行は臆病による?

壁を造り、スペイン語を忌み嫌うTrumpは現代版秦の始皇帝か? 紀元前220--206年に元祖Great Wall(万里の長城)を建設したShih Huang Ti(秦の始皇帝)。外敵の侵入を阻止するのが壁造営の目的だったとすれば、合せて断行した焚書は、過去の記録を悉く消し去り、自らを国の始祖たらんとするものだった。


この皇帝に最近のTrumpが益々似てきた。White Houseのwebsiteを見れば明らかだ。スペイン語版を削除する手に出た。今日の米国の基本的地政学に対する馬鹿げた攻撃である。そして米国ーメキシコ国境に壁を造ろうとしている。
アメリカは、なんと言っても、多言語文化の国だ。特に、この数十年で、スペイン語の重要度が高まっている事実は疑問の余地がない。米国内でスペイン語を話す人口は3800万。ヒスパニック世界という点から言えば、メキシコ、コロンビア、スペイン、アルゼンチンに次いで世界で5番目の国だ。これだけヒスパニック系が多い以上、それを外国人として片付けるのは論理的でない。
Trumpは愚かにも米語のみに固執する。大統領候補予備選遊説のとき、Jeb Bushが、夫人がメキシコ系であるのを引き合いにスペイン語で話すのを聞いてTrumpは「ここはアメリカだぞ。スペインじゃない」などと説教するありさまだ。
Barack Obama以下歴代の大統領が外国語に親しみ、話すことができたのに比べ、Trumpのなんたるお粗末さ!
米国内外で抗議の嵐が止まないTrump Ban(イスラム圏の中東・アフリカ7カ国に対する入国禁止措置)は偏執狂による臆病で自滅的な受難だと言わざるをえない。"Protecting the Nation From Foreign Terrorist Entry Into the United States"との大義名分のもとWhite Houseの執務室で舞い上がり、麗々しく大統領令にサインしているが、過激派グループを鼓舞するだけだ。「アメリカはテロリスト相手よりもイスラム相手に戦争を仕掛けている」と彼らは宣伝するだろう。彼らはただ、米国民が恐怖を抱き、無謀なほど好戦的になるのを待っているだけだ。そうなれば、むしろ、彼らはアメリカを叩くことに力を注ぎ、気まぐれで素人の大統領からさらに度を越した蛮行を誘発せんとするだろう。
問題は議会のG.O.P議員の態度だ。もはや静観は許されない。

いい加減にしてくれ、Trumpism

The Inauguration後のTrumpの演説には怖れいった。16分間のスピーチ、Americaという言葉が35回。中身は空疎で理念なし。なかでも、....vows to end 'American carnage' にはたまげた。carnageとは何ぞや。「殺戮」という言葉を用いて、米国が悲惨な状況にあると言いたかったようだが、The NYT記者に言わせれば、雇用情勢が好転、犯罪率も低下傾向にあり、米国はこの何世代かで最も安全な国になっている。この実態に照らせば、余りにも大袈裟な表現だと言わざるを得ない。
事実・真実を捻じ曲げ、喧伝するのがTrumpismの常套手段。この手法は今後The White Houseにまで持ち込まれそうだ。20日の就任式に集まった聴衆の規模についてもそうだ。8年前のBarack Obamaの時の180万人と比較にならない。その三分の一の60万人規模で高揚感はなくシラケムードだったにもかかわらずThe White HouseはTwitterで"150万人"と超誇大宣伝するありさまだ。
いささか旧聞に属すが、2週間前、ハリウッド・スターMeryl StreepがGolden Gloves受賞のスピーチのなかでTrumpを暗に(痛烈に?)批判した---
"There was one performance this year that stunned me. It sank its hook in my heart......"(今年度は呆然とさせられるパフォーマンスを見せつけられた。そのことが心底深く引っかかった。。)
"It was that moment when the person asking to sit in the most respected seat in our country imitated a disabled reporter...."(我が国で最も尊敬されるべき地位につく人物が身体の不自由なNYTの記者の真似をした時のことだ)

これに対して当然のように、Trumpはtwitterで「そのような事実はない」と反論したが、Robert De NiroがMerylの発言をtwitterで絶賛。"I share your sentiments about punks and bullies. Enough is enough....(くだらないゴロツキに対するあなたの気持ちに共感を覚える。トランプよ、いい加減にしてくれ)
"Trump is a bad example of this country.'(トランプはこの国の悪い見本だ)とこき下ろし、そのうえでDe Niroは、”Whatever happens, we Americans, we New Yorkers, we patriots stand united for the rights of our citizens."(この先何が起ころうとも、我々アメリカ人は、我々ニューヨーカーは、我々愛国者たちは、我々市民の権利のため結束して立ち上がる)と訴える。
NYCだけでなく米国内外でTrump Protest Marchは広がり、止むことはなかろう。