Barack Obamaの今後は?

Caroline Kennedy駐日大使が1/20までの任期を待たず帰国する。Obamaカラーを早く消したいDonald Trumpの指示によるようだ。在任中、昨夏のPresident Obamaの歴史的広島訪問の実現に貢献したKennedy女史はFarewell Messageのなかで再来日を約した。
米東部時間20日12時、Donald Trumpが大統領就任。the White Houseを後にするBarack Obamaは離任後、Michelle夫人と銀婚式を祝い、読書や執筆活動などで静かに家庭で過ごすという。が、もし、米国の"core values"(基本的価値観)が脅威に晒されると感じた時は、すかさず発信し直言するだろう。例えば、人種差別政策の承認の動き、選挙への干渉・妨害、政権による異論やメディアの封じ込めの試み、アメリカで育った移民の子供たちの逮捕や国外追放などだ。

Obama自身、Trumpを過少評価しないよう戒めている。何しろ、痩せても枯れても第45第大統領になる人物なのだからと。実際, Trumpを直接名指しで批判したことがないObamaだが、この8年間における実績・遺産--雇用の増進、地球気候変動の対応、キューバとの国交正常化とイランとの和平等外交成果--そしてObamacareなどを転覆させんとする次期政権の動きには黙っていない。TV インタビューに積極的に対応するだろう。
Obamaにとっての痛恨事は銃規制に失敗したこと。それによりConnecticut州、Newtonの小学校で子供たち20名の犠牲者を出した銃乱射悲劇だった。
昨日18日のWhite Houseでのthe Last News ConferenceをBarack Obamaは次のように締め括っている--"... and sometimes I get mad and frustrated like everybody else do so, but at my core, I think we're going to be OK. We just have to fight for it, we have to work for it..."(時には、皆さんと同じように、腹が立ったり、がっくりすることもあるけれど、内心、この先大丈夫だと思っている。またそうあるため闘わなければないし、努力しなければならない。・・・)
そして、Thank you very much, Press Cops, good luckと手を振りConference会場を後にした。
明日の波乱含みのThe InaugurationにTrumpを連れ立ってCapitol Hillに出席する.....。 どこまでも寛大なBarack Obamaだ。

無理な願いだが--Four more years !

1/10 Farewell Addressを行ったPresident Obama. 場所はD.Cでなく自らの活動の出発点、地元Chicagoを選んだ。2008年、2012年の大統領選勝利演説もChicagoだった。
Hello Chicago! It's good to be home! Thank you, everyone.で登壇したBarack Obamaは鳴り止まぬ観衆のApplauseに対しThank youを繰り返し、All right, everybody sit downと着席を呼びかける。が、いっこうに止む気配のないスタンディング・オベーションに、You can tell that I'm a lame duck because nobody is following instructions(誰も指示に従ってくれないところを見ると私はレーム・ダック(死に体)だということになりますね)と初っ端から痛快なジョーク。この<まくら>に会場は大笑い。さすがはObamaというべし。

Everybody have a seatでようやく観衆が席につく。Barack Obamaは本題を国民への謝意で切り出した--Michael and I have been so touched by all the well wishes that we've received over the past few weeks.(ミシェルと私は、この数週間の間にみなさんから頂戴したお別れの挨拶にとても感動しています) But tonight, it's my turn to say thanks(でも、今夜は私の方が感謝申し上げる番です)
And every day, I have learned from you. You made me a greater President, and you made me a better man (毎日皆さんから学んできました。皆さんが私をより良き大統領にしてくれました。まだ私がより良い人間になることができたのも皆さんのお蔭です)
会場の拍手と歓声が"Four more years! Four more years !"(あと4年 ! あと4年 !) の大合唱に変わる。
"I Can't do that"(それは出来ない)とPresident Obama.
51分に及んだfarewell Addressのなかで、最後の締めくくりとして言及した民主主義の問題こそBarack Obamaの最も言い遺しておきたかったことだろう。
"Which brings me to my final point--our democracy is threatened whenever we take it granted, All of us, regardless of party, should throw ourselves into the task of rebuilding our democratic institutions.(最後の締めくくりをします。アメリカの民主主義は、それがあって当然のものだと考えた瞬間に危険に晒されるのです。党派に関係なく、我々は全員がその身を民主主義行政の再構築に捧げるべきです)
次に、米国憲法に触れる。"Our Constitution is a remarkable, beautiful gift. But it's really just a piece of parchment. It has no power on its own. We, the people, give it power -- with our participation, and the choices we make. (アメリカ合衆国憲法は、めざましく素晴らしい贈り物です。しかし、それは1束の証書に過ぎません。それ自体にに力はないのです。力を与えるのは我々市民であり、参加し、選択することによってそうなるのです)
そして、人々に政治への参加を促す。"and run for office yourself. Show up. Dive in. Persevere,"
(自分自身で立候補してみてください。足を踏み入れてください。飛び込んでください。やり通してください)
米メディアの論調は"In last speech Us President Obama warns against racism, anti-immigrant, anti-zMuslim sentiment under Trump"(最後のスピーチのなかでオバマ大統領はトランプ政権下、人種差別、反移民、反イスラム感情の発生に警告を発した )

メディアはTrumpismに対峙できるか?

The Inauguration(大統領就任)まで2週間を切ったDonald Trump。ここへきて地金が出てきた。国防長官指名時にGeneral, James MattisをMad Dog(狂犬)と呼び、悦に入っていたが、Trump自身Mad Dogではないか?

Fordにプレッシャーをかけ、Mexicoへの工場移転を諦めさせるや、今度は、こともあろうにToyotaのMexico進出に対し"No Way"と恫喝するありさまだ。" Sell the Business, Not the Presidency"(ビジネスと大統領職とを履き違えている)Trump。Russiaと協調してゆくと喧伝しているが、それも商取引だろう。何しろ、PutinのManchurian Candidate(傀儡)だから、先が見えるというもの。Trumpは名うての国連嫌い。現在のイスラエルユダヤ人の定住する民主国家であってもらいたいと願っているPresident ObamaやJohn Kerry国務長官の意図に反し、パレスチナ侵攻の野心を隠さないBibi Netanyahuに擦り寄るのがTrumpだ。The NYTのコラムニストThomas Friedman氏曰く"Trump Is Bibi's Chump"(トランプはネタニヤフのカモにされる)。
当方のPM Abeが(テレビへの)<出たがり屋>ならば、TrumpはTwiitterの<書きたがり屋>でBig Mouth。自分を批判するメディアは間髪を容れず容赦なく叩き、警告・制裁の手に出るはずだ。

米国の主要メディアはもとより邦紙も含め世界のメデイアがWatchdogとしてのの矜持を堅持し、Trumpとその取り巻きに毅然と対峙することだ。ペット犬に堕すこと勿れ。

Trump はManchurian Candidate(傀儡)?

Trump大統領誕生を待ち焦がれているのがPutinだ。そのPutinを偉大な人物と評価しない限りTrump政権に加われないという。このような男性同士の友愛の関係は2013年に始まる。Trumpはその年、ミス・ユニバース世界大会のためモスクワへ出かける計画を立てた。モスクワでPutinに出会えれば新たな親交を結ぶことができるだろうとの思惑があったからだ。
当時、二人が直接会った形跡はないものの、Trumpの胸中に固い絆の花が咲いたことは間違いない。大統領予備選が動きだした頃、直接相見える機会が訪れる。NBCの人気ニュース番組<60 Minutes>に双方が出演した。Trumpに言わせれば凄い視聴率で二人の親密度は動かぬもの(stablemates)になったそうだ。
"stablemates"とは? TrumpとPutinは同じ厩舎の中の2頭の馬だ。同じ飼い葉や干草を食べ、互いに愛のいななきを交わす間柄だというわけだ。<60 Minutes>に共演をきっかけにPutinはTrumpを"very coloreful talented"(非常に多彩な才能の持ち主)と呼び、天才だと称したという。
決定的な分岐点となったのが民主党全国大会。ウィキリークスが同党全国委員会のメールをハッキングした時期だ。Trumpがロシアにハッキングを依頼した-- これは冗談だが........。
ロシア高官による米大統領選への介入・妨害は明らかだ。President ObamaはもとよりGOPの重鎮もロシアに対する対抗手段を講じる。対するPutinはカウンターアタックは控え、Trump政権の発足待ちだとか。Putinのかかる態度をTrumpは”He is very smart"だと賞賛。

こうした過程に照らすと、President-elect Donald Trumpは(Putinの)"Manchurian Candidate"(傀儡)かもしれぬ。
<参考>---Trump and Putin, in the Barn: by Gail Collins---

ロシア映画が見られないが・・?

劇場映画を計画的に観た。正月早々、街のコミュニテイが自主上映した韓国映画「国際市場で逢いましょう」が"観初め"。来週28日に2本で今年の"観納め"。年間100本以上にのぼる。その多くが名画座巡りによるものだ。現在、都内の名画座は数えるしかない。新文芸座ギンレイホールユーロスペースNFC(日本フィルムセンター)あたりか。もっとも、飯田橋ギンレイは年間1万円で50本以上観られる人気館だが、上映モノを精選した跡がなく、言えば2番・3番封切館の色合いが強い。その他、岩波ホール、角川シネマ、新宿シネマカリテなども見逃せないが、話題作の上映館と言えよう。
ボクが衝撃を受けたり、感銘・感動した作品を挙げてみる---
戦後間もないころ制作された必見の二本はデ・シーカー「自転車泥棒」(伊:1948年)、山本薩夫「暴力の街」(1950年) ー 双方とも新文芸座の特別企画によるもの。敗戦直後の混乱の跡が消えない民衆の生活が活写されている。
渋谷ユーロスペースで、ズシリと強い衝撃を受ける作品を観た。「チリの闘い」(1975--チリ・仏・キューバ)と「東京裁判」(1983:小林正樹) -- 2本とも4時間を超える超長尺のドキュメンタリーだ。戦後現代史の学習には欠かせない。
ところで、今年ボクにとっての新しい発見は京橋にあるNFCとの出会いである。館内は立派で310席。一般510円、シニア310円と入場料は破格の廉価。加えて企画がユニークだ。6月中旬〜7月初め「EUフィルムデーズ」と銘打って、日本に大使館のあるEU加盟国の最近の代表作が上映された。当然、旧東欧諸国の作品もある。その中で特筆すべきは『マリヤ、1948年の旅路』(2013年--リトアニア)だろう。-- 第二次大戦後、東西に分断された欧州。鉄のカーテンの東側に位置したリトアニアスターリン体制下、数十万に上る人々がソ連強制収容所に送られた。輸送列車で運ばれる途中、母親を亡くし、独りぼっちになる11歳の少女マリヤ。列車から逃げ出し、さまざまな人に助けられながら、故郷までの6,000マイルの旅を敢行する--大ヒットした珠玉の名作だ。
そのNFCがこの年末、「 DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画」を企画・上映している。DEFAとは1946年〜1990年の東ドイツ終焉まで続いた映画制作機関である。いずれもソ連共産党支配下で制作された作品だけに貴重だ。なかには、反体制的傾向が見られるという理由で、上映禁止となった作品も少なくない。
このように回顧するなかで、一つ大きな疑問にぶつかった。ソ連邦ロシア連邦・・この大国の作品に何故かお目にかかれない。誰か消息筋の方はおられませんか?


ソ連映画といえばサイレント映画戦艦ポチョムキン』だろう。エイゼンシュタインモンタージュに舌を巻いたものだ。が、スターリンフルシチョフ時代は? 大作が作られたようだが公開されたか?その後トップが目まぐるしく変わっていった。ブレジネフ、アンドロポフ、チェルネンコ・・・ゴルバチョフが登場する前に一番人気のあった小咄は「タス通信のニュースをお伝えします。皆さん大笑いするでしょう。たびたびですが、ソ連共産党中央委員会書記長がまた死去しました」だとか。そして、ペレストロイカゴルバチョフが弱く、嫌われ、エリツィンに追い出されソ連が倒れ、ロシアに変わった。ソ連時代人々は書物をむさぼるように読み、芸術・文化の華が咲いていた。ソ連が崩壊したのは、強制収容所の真実をみんなが知ったからではない。女性用ブーツが不足し、トイレットペーパーが不足し、オレンジがなかったからだと。自由が欲しくて走りだしたのではない、ジーンズやスーパーマーケットが欲しく、派手な包装紙に目が眩んだからだと言う。

      • 古くさい思想が復活している。偉大な帝国について、「鉄の腕」について....,,。ソ連国歌が戻ってきた(2001年、ソ連邦国歌の曲に新たな歌詞がつけられロシア連邦の国歌になった)。名前こそ<仲間>(親プーチンの青少年団体)だが、共産党青年同盟があり、共産党をコピーした政党がある。大統領の権力は、書記長並み。絶対的な権力だ。マルクス・レーニン主義のかわりに正教........---(スベトラーナ・アルクシェービッチ著「セカンドハンドの時代」より)

KGBの指導下でにわか仕立ての資本主義が建設されているんだ」とも。PutinとTrumpの親密さが気になる。

OFAから喝!

公的には党派性はないが、米民主党と強固に連携するOrganizing for Action(OFA)。その名の通り行動する非営利団体の市民組織である。理念と施策はPresident Obamaを支持、2012 年大統領再選キャンペーンのキャッチフレーズ"Organizing for America" を継承し、大元は2008年大統領選に遡る。
OFA始動以来サポーターに名を連ねている小生にも頻繁にExecutive Directorからメールが。最近喝を入れられた---
"Are you ready to get to work? OFA supporters have never been involved just for the easy wins. We're always known progress is to hard, but that it's worth fighting for--and now, more than ever, we've got to get fired up for the work ahead. We're ready to fight for the kind of progress deserve. Are you in?"(仕事を始める用意はできていますか? OFAのサポーターは未だかつて楽勝には全く縁がない。我々は進歩には困難がつきまとうが、そのために闘う価値があることを絶えず弁えている。そしていま、いつも以上に、当面する課題に向けて意気軒昂だ。価値ある進歩のために闘う準備OKだ。あなた、やる気は?)
Trumpが次期国務長官にExon Mobile CEOのRex W. Tillerson を指名するとのこと。プーチン露大統領との親交長く、外交の実務経験ゼロ。Trumpも同類の親露派。何がAmerica Firstだ。GOP議員も黙っていないだろう。

野垂れ死は避けるべしPark Geun-hye

"South Korea's Loathed President Park Geun-hye has been impeached" と米紙。CNN Headline Newsは"Parliament votes to impeach S. Korea's President"--韓国議会による大統領弾劾決議を短く速報し、"Protesters Have Called For Park' Ouster"(パク大統領追放を叫ぶ抗議デモ)と追い討ちをかける。

連日Candlelight RevolutionとImpeachment Festival が渦巻く韓国社会。Seven out of ten citizens believe she should step down before the court makes ruling--国民の7割が弾劾裁判の判決が下る前に大統領は辞任すべきだと信じている。

その点、Richard Nixon元大統領はある意味で潔ったかも知れぬ。かのWatergate Scandalを告発されたNixon氏は弾劾一歩手前で辞任し、VP のGerald Ford氏にバトンタッチした。

1974年8月9日、外紙1面トップにNixon Quitsのヘッドライン。Nixonは野垂れ死にせずに済んだ。