Trumpの蛮行は臆病による?

壁を造り、スペイン語を忌み嫌うTrumpは現代版秦の始皇帝か? 紀元前220--206年に元祖Great Wall(万里の長城)を建設したShih Huang Ti(秦の始皇帝)。外敵の侵入を阻止するのが壁造営の目的だったとすれば、合せて断行した焚書は、過去の記録を悉く消し去り、自らを国の始祖たらんとするものだった。


この皇帝に最近のTrumpが益々似てきた。White Houseのwebsiteを見れば明らかだ。スペイン語版を削除する手に出た。今日の米国の基本的地政学に対する馬鹿げた攻撃である。そして米国ーメキシコ国境に壁を造ろうとしている。
アメリカは、なんと言っても、多言語文化の国だ。特に、この数十年で、スペイン語の重要度が高まっている事実は疑問の余地がない。米国内でスペイン語を話す人口は3800万。ヒスパニック世界という点から言えば、メキシコ、コロンビア、スペイン、アルゼンチンに次いで世界で5番目の国だ。これだけヒスパニック系が多い以上、それを外国人として片付けるのは論理的でない。
Trumpは愚かにも米語のみに固執する。大統領候補予備選遊説のとき、Jeb Bushが、夫人がメキシコ系であるのを引き合いにスペイン語で話すのを聞いてTrumpは「ここはアメリカだぞ。スペインじゃない」などと説教するありさまだ。
Barack Obama以下歴代の大統領が外国語に親しみ、話すことができたのに比べ、Trumpのなんたるお粗末さ!
米国内外で抗議の嵐が止まないTrump Ban(イスラム圏の中東・アフリカ7カ国に対する入国禁止措置)は偏執狂による臆病で自滅的な受難だと言わざるをえない。"Protecting the Nation From Foreign Terrorist Entry Into the United States"との大義名分のもとWhite Houseの執務室で舞い上がり、麗々しく大統領令にサインしているが、過激派グループを鼓舞するだけだ。「アメリカはテロリスト相手よりもイスラム相手に戦争を仕掛けている」と彼らは宣伝するだろう。彼らはただ、米国民が恐怖を抱き、無謀なほど好戦的になるのを待っているだけだ。そうなれば、むしろ、彼らはアメリカを叩くことに力を注ぎ、気まぐれで素人の大統領からさらに度を越した蛮行を誘発せんとするだろう。
問題は議会のG.O.P議員の態度だ。もはや静観は許されない。